慶弔全般の対応

慶弔対応とは? 取引先への慶弔対応の流れやルールなどを紹介します

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会社で秘書や総務の関係の仕事をしている人は、取引先の慶弔に対応することが多いと思いますが、どのような慶弔の事柄に対応すればよいのかを、悩んでいる人もおられるのではないかと思います。

取引先の慶弔には、社長のご子息の結婚、会社の竣工祝いや周年祝い、取引先の経営者や経営者のご身内の死去など、いろんな慶弔事項があります。

それらの慶弔事項にはどのようなものがあるのか、取引先の慶弔対応について大まかに理解していただくように、私が企業で秘書をしていたときに実践で得た、取引先の慶弔対応方法をまとめました。

もしあなたが取引先の慶弔対応に悩んでおられるのなら、参考にしていただければ幸いです。

社外(取引先)への慶弔対応とは

慶弔対応とは誰かの結婚や昇進などのお祝い事(慶事)や、お葬式などのお悔やみ事(弔事)に対応することです。

社内(社員に対して)の慶弔対応は慶弔規定を定めている会社が多くあると思いますが、社外(取引先などに対して)の慶弔対応はきちんとルールを決めて行っている会社は少ないのではないかと思います。

しかし、社外への慶弔対応を競合他社に先んじて行うことによって、取引先からの信頼を得て、会社のイメージアップにつながり、売り上げにも好影響を与えることになると思います。
ですので、社外への慶弔対応はとても大事だと考えます。

※「慶弔」の意味についての説明はこちらをご覧ください。👉慶弔とは? 慶弔の意味・慶弔の種類・慶弔の目的・慶弔の類義語などを解説します

水引

社外慶弔対応の流れ

私が企業で秘書業をしていたときに、次のような流れで慶弔対応をしていました。

➀取引先の慶弔情報の入手
新聞や自社の窓口から、取引先のお祝い事やお悔やみの情報を入手します。

②慶弔対応の内容の決定
取引先に対してどのような慶弔対応をするのかを、慶弔対応ルールに照らし合わせながら上司と相談の上決定します。

③取引先への慶弔対応の実施
取引先へ祝電や弔電を打ったり、お祝いを贈ったり葬儀に出たりなど、実際に慶弔対応をします。

④取引先に対する慶弔費の経理処理
取引先への慶弔対応で支払った費用(お祝い金・香典など)の経理処理をします。

⑤取引先への慶弔対応の履歴作成
実施した慶弔対応を履歴として残します。

 

バラの花

取引先の慶弔対応の項目と慶弔情報の入手方法

取引先の慶弔でよく対応されるであろう項目と、取引先の慶弔情報の入手方法を次の表にまとめました。

慶弔項目 慶弔項目の内容 慶弔情報の入手方法
結婚 取引先経営者本人や経営者の子女への結婚祝い
※詳しくはこちら
・当社関係者への結婚式への招待状
・取引先の当社窓口の社員からの情報
竣工・開店 取引先の本社・支店・工場・倉庫などの竣工祝い、店舗の開店祝いなど
※詳しくはこちら
・当社関係者への竣工披露パーティーへの招待状
・当社関係者への転居案内状
・取引先の当社窓口の社員からの情報
周年記念(創業・創立・設立) 取引先の節目となる周年記念日へのお祝い
※詳しくはこちら
・当社関係者への周年記念式典への招待状
・当社関係者への案内状
・取引先の当社窓口の社員からの情報
就任 社長や会長など取引先の経営者の就任へのお祝い
※詳しくはこちら
・当社関係者への就任披露パーティーへの招待状
・当社関係者への就任挨拶状
・取引先の当社窓口の社員からの情報
・当該会社のホームページ
・新聞記事
受章 取引先の経営者などが褒章や叙勲の国家的な栄に浴したときのお祝い
※詳しくはこちら
・受章祝賀会の招待状
・取引先の当社窓口の社員からの情報
・新聞記事
死亡(葬儀) 取引先の経営者本人や経営者の家族が亡くなったときのお悔やみ
※詳しくはこちら
・当社関係者への訃報連絡
・取引先の当社窓口の社員からの情報
・新聞記事
災害 取引先が地震・台風・火事などの災害に遭ったときのお見舞い ・取引先の当社窓口の社員からの情報
・新聞記事

披露宴への招待状や案内がくる場合は容易に慶弔情報を入手できますが、招待状や案内状がこない慶弔情報は、アンテナを張るしかありません。

社内にもアンテナを張り、取引先と接点のある営業窓口などと連携して、慶弔対応をする秘書や総務に連絡を入れてもらうことが大事です。

また、新聞の情報も大切になります。

そこそこの規模の会社であれば、トップの交代や役員人事は新聞に載りますし、そこそこの規模の会社の経営者であれば、新聞の死亡欄に載りますので、慶弔対応をするにあたって新聞情報も大事になります。

【参考:新聞からの取引先の慶弔情報の入手方法】

新聞からの慶弔情報の入手例を次のとおりご紹介します。

《会社のトップ人事》
・企業面に掲載欄があります。(氏名・社名は消しています)新聞の社長就任記事

《会社の役員などの人事》
・こちらも企業面に掲載欄があります。(氏名・社名は消しています)
新聞の人事記事

《褒章・叙勲などの受章者》
・褒章は毎年4月28日と11月2日に受章者の氏名が掲載されます。
・叙勲は褒章の翌日、4月29日と11日3日に受章者の氏名が掲載されます。

《死亡》
・社会面に掲載欄があります。(氏名・社名は消しています)
新聞の死亡記事

取引先への慶弔の検討と決定

取引先への慶弔対応のルールを事前に決めておくことによって、慶弔対応を迅速且つスムーズに行うことができます。

取引先のランク付け

社外(取引先)への慶弔対応する場合、どの取引先も一律に対応するのではなく、取引金額・取引年数などの取引状況を考慮して慶弔対応基準を決めているケースが多いと思います。

私が勤めていた会社では年間の取引金額によって、例えば5億円以上はAランク、1億円以上はBランク、5千万円以上はCランクというような決め方をしていました。
※金額は社内情報につきダミーを使っています。

慶弔対応ルールの作成

ランクによってどのような慶弔対応をするのか、下記の表のような慶弔対応ルールを作っておくと、迅速な慶弔対応ができます。

こちらの金額はダミーですが、世間一般の慶弔対応ルールとはそんなにかけ離れていないと思いますので、参考にしてください。

慶弔項目 対象取引先のランク
全社 Aランク Bランク Cランク
結婚 経営者本人 祝電 10万円 5万円 3万円
(結婚披露に出席の場合) 20万円 10万円 5万円
経営者の子女 祝電 5万円 5万円 3万円
(結婚披露に出席の場合) 10万円 10万円 5万円
竣工・開店 本社 祝電 5万円の花 3万円の花
(披露に出席の場合) 10万円 5万円 3万円
支店・工場・倉庫・店舗 祝電 3万円の花
(披露に出席の場合) 5万円 3万円 3万円
周年記念
(創業・創立・設立)
10周年以上 祝電 5万円 3万円 3万円
(式典に出席の場合) 10万円 5万円 3万円
50周年以上 祝電 10万円 5万円 3万円
(式典に出席の場合) 20万円 10万円 5万円
就任 代表取締役 祝電 10万円 5万円 3万円
(就任披露に出席の場合) 祝電 20万円 10万円 5万円
受章 経営者本人 祝電 5万円 5万円 3万円
(祝賀会に出席の場合) 祝電 10万円 10万円 5万円
死亡(葬儀) 経営者本人 弔電 10万円
+供花
5万円
+供花
3万円
+供花
経営者の配偶者 弔電 5万円
+供花
3万円
+供花
1万円
+供花
経営者の父母 弔電 5万円
+供花
3万円
+供花
1万円
+供花
経営者の子女 弔電 5万円
+供花
3万円
+供花
1万円
+供花
災害見舞 大規模災害 10万円 10万円 5万円
小規模災害 3万円 3万円 1万円

※披露宴や式典に出席の場合は直接祝意を伝えることができますので、祝電は不要と考えますが、就任や受章の場合はそのことがわかった時点で祝賀会に招待されるかどうかわからないので、即刻祝電を打つようにしています。

慶弔対応ルールに則らない対応

慶弔対応ルールを決めていても、経営者の個人的な付き合いなどの場合は慶弔対応ルールでは判断がつきにくくなります。
そのような場合は、同じような慶弔対応の前例を参考にしたり、経営者が判断するということになろうかと思います。

ここからは私見ですが、私は慶弔対応というものは会社のプラスになるためにするものだと思っています。
ですから、今は取り引きが多くてもこれから段々減っていくような取引先より、今は取り引きが少なくても、これからどんどん取り引きが多くなっていくような取引先への慶弔対応を厚くすることも検討すべきではないかと思います。

水引

取引先への慶弔対応の実施

慶弔対応の内容が決まりましたら、実際に取引先にアクションを起こします。

慶事の場合は、祝電を打ったり、お祝いを取引先に届けたりします。
弔事の場合は、弔電を打ったり、お供えを手配したり、葬儀に出席して香典を届けたりします。

慶弔対応の実際のアクションの起こし方については、別の記事で詳しく説明させていただきますので、そちらをご覧ください。

取引先に対する慶弔費の経理処理

取引先へのお祝いや香典の経理処理は、一般的には交際費で処理されるようですが、会社によって状況が違いますし、内容によっても変わってきますので、自社の経理に確認するようにしてください。

どのような経理処理をしたのかを、私は記録に残していました。
記録に残すことで、次回は経理に聴かなくて済むからです。

パソコンで伝票処理する男性

取引先への慶弔対応履歴の作成

私は慶弔対応をした内容を、履歴として残すようにしています。
履歴として残すことによって今後の参考になりますし、特に慶弔ルールに則らない慶弔対応は、なぜそのような慶弔対応にしたのかがわかるようにすることによって、自社の経営者の個人的な慶弔対応の指針になるからです。

慶弔対応履歴を残す際に大事なことは、5W1H(When:いつ・Where:どこで・Who:だれが・What:何を・Why:なぜ・How:どのように)を意識することです。

慶弔対応履歴の例を下記の表でご紹介しますので、参考にしてください。

【慶事の場合】

登録日 いつ慶弔対応したのかはあとから追っかけるときに重要です。
慶弔対応者名 誰が慶弔対応をしたのかを明確にしておくことによって、責任の所在をはっきりさせることと、不明点を聴くことができます。
対象企業名 どこの取引先に慶弔対応をしたのかを明確にしておきます。
対象者名 取引先の誰に慶弔対応をしたのかを明確にしておきます。
慶事内容 結婚・新築などどんなお祝いに対応したのかを明確にしておきます。
祝電発信者 祝電を誰の名前(社長名など)で打ったのかを明確にしておきます。
お祝い内容・金額・発信者名 贈り物(現金・物品など)の内容・贈り物の金額・誰の名前(社長名など)で贈ったのかを明確にしておきます。
備考 ・披露宴・式典・祝賀会などの開催状況(場所・当社出席者など)
・祝電の文面:今後同じような慶弔対応をするときの祝電文案の参考になります。
・お祝い持参日、持参場所、持参者なども明記しておくと、今後の参考になります。
・慶弔対応ルールに則らない場合は特に、なぜそのような慶弔対応をしたのかを明記しておくと、今後の参考になります。

【弔事の場合】

登録日 いつ慶弔対応したのかはあとから追っかけるときに重要です。
登録者名 誰が慶弔対応をしたのかを明確にしておくことによって、責任の所在をはっきりさせることと、不明点を聴くことができます。
没者氏名(年齢) 亡くなった方の氏名、できれば年齢も明記します。
逝去日 亡くなった年月日を明記します。法要などへの慶弔対応の参考になります。
死因 さほど重要ではないのですが、弔問の際の参考になります。
没者の関係会社と関係者名 例えば没者が取引先の社長の実母であれば、その取引先の会社名と社長の名前を明記します。
没者と関係者との続柄 例えば没者が取引先の社長の実母であれば、この欄に「実母」と明記します。
弔電発信者 弔電を誰の名前(社長名など)で打ったのかを明確にしておきます。
香典の額・発信者名 香典の金額と香典袋の表書きに誰の名前(社長名など)を書いたかを明記します。
供物の内容・金額・発信者名 供物(供花・枕花など)の内容・供物の金額・誰の名前(社長名など)で贈ったのかを明確にしておきます。
備考 ・葬儀の開催状況(場所・喪主名・当社出席者など)
・弔電の文面:今後同じような慶弔対応をするときの祝電文案の参考になります。
・香典の持参時(通夜か葬式か)、持参者なども明記しておくと、今後の参考になります。
・慶弔対応ルールに則らない場合は特に、なぜそのような慶弔対応をしたのかを明記しておくと、今後の参考になります。

 

睡蓮の花

慶弔マニュアルが役に立つ

社内の慶弔対応は会社で定めた慶弔規定に則って進めればいいのですが、社外への慶弔対応については、きちんと定めていないケースが多いのではないかと思います。

社外への慶弔対応を迅速に、且つ抜かりなくすることは、取引先に対して好印象を与え、営業面で他社より有利になると思います。

社外への慶弔対応を迅速に抜かりなくするために、事前に慶弔の対応方法を決めて、慶弔マニュアルを作っておくと良いと私は考えます。

マニュアル作成というと難しく思うかもしれませんが、この記事で上述したような内容を、担当者の頭の中にしまっておくだけではなく、やるべきことや参考になる表などを見える化するだけでいいのです。

慶弔対応マニュアルを作っておくことで、誰でも素早く的確な慶弔対応ができ、取引先に対して自社の印象が格段に良くなると思います。

マニュアルを見る女性と男性

最後に

この記事を読んでいただいて、慶弔対応って大変だなと思われるかもしれませんが、実際大変です。

でも、大変だからあなたの会社が競合他社に先んじて的確な慶弔対応をすれば、あなたの会社の営業活動にプラスになると思います。

この記事で申し上げたいポイントは次のとおりです。

ポイント

・社外への慶弔対応を競合他社に先んじて行うことによって、取引先からの信頼を得て、会社のイメージアップにつながる

・慶弔対応というものは会社のプラスになるためにするものだと思う

・慶弔対応履歴を残す際に大事なことは、5W1Hを意識すること

私も満足のいく慶弔対応はなかなかできませんでしたが、場数を踏むことで自然とできるようになりました。
あなたもあせらず慣れていってください。

ご検討をお祈りします。