お悔やみ事の対応

葬儀とは?葬儀の流れ・葬儀参列のマナーなどを実践を基に紹介します

葬儀場

社会に出ると葬儀を経験することが多くなります。

親戚や友人の身内の人の葬儀に加えて、会社の人や仕事関係の人の葬儀が加わります。

このような葬儀に参列(さんれつ:葬儀に出席することを参列という場合が多くあります)するときのマナーは、社会人として最低限身につけていた方が良いと思います。

最近は身内だけで葬儀を執り行う家族葬が多いので、葬儀に参列する機会が少なくなりましたが、葬儀がなくなることはありませんし、あなたのご家族が亡くなったときに、葬儀のことを少しでも知っておいた方が役に立つと思います。

また、会社で秘書や総務関係の仕事をしておられる人は、取引先で不幸があったときに、会社として葬儀の対応する機会が多いと思います。

この記事では、「葬儀」という言葉の意味、葬儀の流れ、葬儀参列の際のマナーなどを、私の秘書としての経験を基に、詳しくご紹介させていただきます。

また、葬儀に数多く参列したことで、役に立ったことも併せてご紹介させていただきます。

尚、葬儀参列のマナーは、私の独自の考えで実践してきたところもありますので、一般の慶弔マナーには記されていないこともあるかもしれませんが、参考にしていただければ幸いです。

葬儀とは

「葬儀」とは、「葬送儀礼(そうそうぎれい)」を略したもので、人が亡くなってから葬る一連の儀式のことだそうです。

具体的には、看取り・納棺・通夜・葬式・告別式・火葬・納骨・四十九日など、故人を現世からお送りするための儀式が続いていきます。

この記事では葬儀の流れの中で、会社の取引先の不幸への対応という、ビジネスシーンでの葬儀についてご紹介したいと思いますので、葬儀の位置づけを通夜・葬式・告別式に絞らせていただきます。

また、葬式のことを葬儀という場合もありますが、この記事では葬式のことを葬儀とは表現しないで、葬式と表現させていただきます。

通夜・葬式・告別式とは

通夜とは

「通夜」は、家族や親族、友人などごく近い人が集まり、線香やロウソクを絶やさず、故人と夜通し過ごす儀式で、一般の人は翌日の昼に行われる葬式・告別式に参列していたそうです。

しかし近頃では、故人と親しくない人でも、夜に行きやすい人は通夜に行くようになっています。

僧侶の読経と焼香のあとには、親族や親しい人で「通夜ぶるまい」が行われ、故人の思い出話をしながら、故人との最後の夜を過ごします。

葬式・告別式とは

葬式・告別式は一般的には通夜の翌日に執り行われます。

葬式は家族や親族が故人の冥福を祈り、見送る宗教的な儀式で、告別式は故人が一般の人とお別れをする儀式ということで、本来は葬式と告別式は切り離して執り行われていたそうです。

しかし、近頃では葬式と告別式の区別はなく、一連の流れで行われるようになり、葬式と告別式を合わせて、葬儀や葬式と呼んでいます。

ですので、この記事ではもともとは分けて言われていた、「葬式」と「告別式」をまとめて「葬式」と呼ぶようにさせていただきます。

葬儀祭壇

仏式での葬儀(通夜・葬式)の流れ

通夜・葬式の進行は宗教、宗派や地域などによってまちまちですが、私が参列した葬儀はほとんどが仏式で、仏式の中でも最も多かったパターンは次のような流れです。

通夜の流れ

  1. 僧侶が入場し、読経(どきょう:お経を読むこと)と焼香をする
  2. 喪主、家族、親族、一般の人の順に焼香をする
  3. 僧侶が法話(ほうわ:仏法を説き聞かせる話)を行う
  4. 僧侶が閉会を告げて退席する
  5. 喪主が挨拶をする

その後、通夜振舞いと言って、故人の供養と参列者へのお礼のために食事が用意されており、だいたい1時間~2時間で終わります。

葬式の流れ

  1. 僧侶が入場し、読経をする
  2. 弔電を披露する
  3. 僧侶の焼香のあと、喪主、家族、親族、一般の人の順に焼香をする
  4. 僧侶が退出する
  5. 故人が横たわっている棺(ひつぎ)に花や故人の思い出の品を入れてお別れをする
  6. 喪主が挨拶をする
  7. 火葬場に向けての出棺(しゅっかん)を見送る

以上に加えて弔辞(ちょうじ:故人の友人などが代表してお別れの言葉を述べる)を読まれることもあります。

また、焼香は一般の人の前に故人が属していた会社や団体、地域などの長が焼香をする代表焼香を設けることもあります。

火葬場へは親族の人だけが行くことが多いので、一般の参列は出棺を見送って終わりということになります。

葬儀での服装

通夜での服装

訃報が入った日にお通夜が執り行われる場合、その時の服装で行くしかないのですが、礼服を用意することが可能な場合でも、通夜の服装は礼服ではなく、私は地味なスーツにしています。

通夜に礼服を着ていくと、不幸事に対して準備していたように思われるのが嫌だからです。

私が参列した通夜も、礼服を着ていない人が結構いましたので、違和感を感じたことがあまりありません。

葬式での服装

葬式のときの私の服装は、礼服にしています。

葬式は通夜の翌日ですので、礼服を用意する時間がありますし、通夜がもともと身内でお別れをする儀式に対して、葬式は外向けの儀式ですので、改まった服装がいいように思うからです。

実際に今まで参列した葬式も、ほとんどの人が礼服ということが多かったのです。

一度、葬式の日に上司から参列をするように言われたことがありました。

このときは、礼服を用意する時間がなく、喪章を左腕につけて、普段の服装で参列しました。

見渡すと私以外は全て礼服で、このときばかりはさすがに恥ずかしい思いをしました。

ただ、服装が参列するのではなく、自分が参列するのだから、お悔やみとご冥福を祈る気持ちをしっかり持てば、恥ずかしがることはないと自分に言い聞かせて、気持ちを切り替えました。

礼服を着た男女

葬儀に持参するもの

香典

香典を渡す場合は、通夜か葬式に香典を持参します。

通夜と葬式の両方に参列する場合は、先に参列する通夜に香典を持参します。

香典ご辞退と事前にわかっている場合は、手ぶらで行っています。

以前は香典辞退と案内されていても、受取っていただけることもあったので、一応持参していましたが、最近は香典辞退の案内があれば、100%受取ってもらえないので通夜・葬式には香典を持参はしていません。

尚、香典の準備の仕方についてはこちらの記事を参考にしてください👉香典の書き方・香典の金額・香典の入れ方・香典の渡し方などを紹介します

数珠

数珠はもともと仏教に関係するものですので、仏教で執り行われる葬式に数珠を持参しています。

日本の葬儀の場合、仏教で執り行われることがほとんどですので、宗教がわからない場合も、私はいつも数珠を持参して参列しています。

葬儀のときに、数珠を持って焼香すると何となく様になりますので、数珠は葬儀の必需品と言えます。

ですから、私が企業に勤めていたときは、職場に数珠を常に置いていました。

仏教以外で執り行われる葬儀の場合、数珠は持参していません。

数珠

葬儀参列でのマナー

葬儀での受付の仕方

葬儀場に到着しましたら、まず受付をします。

受付の流れは通夜も葬式も同じで、次のとおりです。

①受付の人にお悔やみの挨拶をする

受付をしている人は、遺族ではなく会社の人や親戚の人などが多いのですが、遺族の代理という感覚で、「この度はご愁傷さまでございます。」と簡潔にお悔やみを申し上げます。

②記帳をする

芳名帳(芳名カード)に住所と氏名を記入します。

この芳名帳は誰が通夜に参加をしたかを遺族があとで確認するためのものです。

最近は名刺でも受付けてくれるケースが多いので、字を書くのが苦手な人は名刺を受付の人に渡すこともできます。

私が企業の秘書をしていたときは、私個人での葬儀への参列より、自社のトップの代理が多かったのですが、代理での参列の場合は、トップの名刺を受付で渡し、自社のトップが参列できないことと、代理で来たことを申し上げながら、自分の名刺を渡していました。

代理での参列で記帳する場合は、自社の会社名・トップの役職・トップの名前のあとに「代理」と入れて、自分の名前を書いていました。

例えばこのような感じです。
慶弔株式会社 代表取締役社長 慶弔太郎 代理 ○○○○(自分の名前)

葬儀受付での記帳

③香典を渡す

香典を持参した場合は、受付の人に渡すようにします。

渡し方は、袱紗から香典袋(不祝儀袋)を出して、受付の人から表書きが読めるように渡します。

香典を辞退されている場合は、無理に渡そうとせずに香典を収めます。

座席につく

受付を済ませましたら座席につきます。

葬儀場の座席は、遺族席・代表者席・一般席など区切りを決めていることが多いので、自分がどこに座れば良いのか見極めて席に座ります。

どこに座れば良いのかわからない場合は、葬儀場の係の人に聴くのが良いでしょう。

葬儀が始まるまでに携帯電話の電源を切ったり、マナーモードにして葬儀中に音が出ないようにします。

読経中は静かに

葬儀が始まると、僧侶が読経を始めます。

静かに聴くのは当然ですが、焼香の作法に自信のない人は、自分の焼香順が廻ってくる前に、先に焼香をする人の動作をよく見て、焼香の作法の参考にされることをお薦めします。

焼香の仕方

葬儀場の係りの人の案内に従って、祭壇の前に行き焼香をします。

焼香は下の絵のようにします。
焼香の仕方

①焼香台の手前で遺族に一礼し、焼香台の前で遺影に向かい合掌します。

②右手で抹香をつまみます。

③左手に数珠をかけ、抹香をつまんだ右手を額におしいただきます。

④抹香を香炉の炭の上にくべます。

⑤遺影に向かって合掌します。

⑥少し下がって遺族に一礼して座席に戻ります。

抹香を香炉にくべる回数を、私は通常3回していますが、その回数は宗派によって違いますし、最近は焼香時間のスピードアップのため、焼香を1回にしてくださいとアナウンスがある場合があります。

もし、あなたが抹香を香炉にくべる回数を何回すれば良いのかわからない場合は、1回にされるのが良いと思います。

出棺の見送り

葬式のあと、棺(ひつぎ)のふたがあけられて、故人に花を手向けたりして、遺族が最後のお別れをし、故人を霊柩車へ乗せて火葬場に向かいます。

故人を火葬場まで運ぶことを出棺(しゅっかん)と言います。

基本的には、火葬場に同行するのは遺族と、故人と特に関係が深かった人だけですので、ほとんどの参列者にとって出棺が故人との最後の対面になります。

時間が許せば出棺まで見送るのが礼儀だと思います。

霊柩車が走り出す直前に丁寧に頭を下げ、合掌して故人の冥福を祈ります。

霊柩車

葬儀で遺族に挨拶をするタイミング

葬儀は遺族に直接弔意を伝える絶好の機会です。

でも、遺族は大勢の人の弔意を受けているので、なかなか遺族への挨拶のタイミングが難しいものです。

私が葬儀に参列した経験を基に、遺族への挨拶のタイミングをご紹介させていただきます。

通夜での遺族への挨拶のタイミング

通夜では僧侶の読経が終わって、喪主が挨拶されたあとが、遺族への挨拶の良い機会だと思います。

通夜の開式前ですと、葬儀社から通夜の進行について遺族への説明があったりして、通夜の開式まで遺族は落ち着かないと思います。

僧侶の読経後の喪主挨拶のあとでしたら、一段落ついて遺族も落ち着いておられますので、そこがねらい目だと思います。

但し、葬儀会場に早く到着して、遺族がお手すきの様子でしたら、通夜の開式前に弔意を伝えるようにしています。

葬式での遺族への挨拶のタイミング

葬式では、焼香を済ませて座席に戻る際に、遺族の代表が立礼をするケースが多くあります。

私は焼香のあと、この立礼をされている遺族の代表に弔意を伝えるようにしています。

葬式の開式前も、葬儀社から葬式の進行について遺族に説明があったりして、遺族は開式まで落ち着きません。

葬式が終わってからは、出棺までの間に故人との最後のお別れをしますので、そこに割って入るのも難しくなります。

その後、遺族は故人とともに火葬場へと出発してしまいます。

ですから、葬式のときはなかなか弔意を伝えるチャンスがないので、遺族代表の立礼の際にご挨拶するようにしているのですが、このときは次の人が待っていますので、手短に挨拶をするようにしています。

もし、葬儀場に早く着いた時に、遺族がお手すきのようであれば、通夜の時と同じように葬式の開式前に挨拶をしています。

葬儀での挨拶

取引先に通夜見舞いをすることもある

通夜は遺族や親戚が夜通し故人の傍に付き添います。

その遺族や親戚が夜に軽くつまめるようにと気遣って、差し入れる物を通夜見舞いと言います。

私が秘書をしていた時に、親しい取引先に通夜見舞いをしたことがあります。

その取引先は名古屋の会社ですが、名古屋では通夜のときに饅頭をよく届けるそうです(名古屋ではこれを「お淋し見舞い(おさびしみまい)」というそうです)。

その定番の一つが納屋橋饅頭で、私も名古屋で仮通夜のお手伝いに行った際にいただきましたが、後味すっきりで美味しく、お茶によく合っていたのを覚えています。

あまり高価なものではないので、先方に気遣いをさせることもなく、心身ともにお疲れの遺族には最高の差し入れだと思いますが、納屋橋饅頭は令和4年1月から製造しておらず買えなくなったのは残念です。

秘書が取引先の葬儀に参列する意義

葬儀は、弔意を伝えるための一番良い機会だと思います。

遺族に直接お悔やみを申し上げることができますし、遺族もわざわざ来ていただいたと好印象を持っていただけます。

また、突然の自宅への弔問と違って、遺族が時間・場所を設定しているところに行くので、喪家の迷惑になることもありません。

秘書業務の一環として、数多くの葬儀に参列したお陰で、私にとっても役に立ったことが多くありました。

まず、葬儀の流れがよくわかったことです。

前述の葬儀の流れは、仏教の一般的なものですが、神道なら神様の動きに合わせて立ったり座ったりしたりし、キリスト教なら讃美歌を歌ったりします。

ですから宗教が違っても、それぞれの葬儀の進行に対応することができるようになりました。

次に、何回も葬儀に参列していると、それぞれの葬儀のいいところ、気をつけたほうがいいところがわかるようになりました。

そして、参列メモをつくり、その葬儀の良かった点や良くなかった点、その他気付いたことを書き留めて、それを葬儀参列記録として残しています。
※葬儀参列記録についてはこちらの記事を参考にしてください👉葬儀参列の記録を残すことの意義と葬儀参列記録作成方法を紹介します

それを参考にして、自分の親の葬儀や、会社の役員の葬儀の手伝いをするときに活かすことができました。

また、弔電披露の際に注意して聴いていると、心を打つ文章に出会うことがあります。

その電文をすかさずメモをとり、弔電作成の際に役立つことが何度もありました。

葬儀に参列すると、粗供養(そくよう)といって、供養していただいたお礼に品物を渡されます。

お菓子、コーヒー、お茶などの食品やハンカチ、タオル、商品券など、さまざまな内容がありますが、その中で美味しいお菓子などに出会ったときは、それを手土産に使ったこともあります。

葬儀場で飾られる供花の贈り主の名前や、弔電の発信者で、故人の交友関係がわかりますし、弔辞がある場合は、その人の人となりがわかり、ビジネスシーンでも役に立っています。

ですから、葬儀に参列することは私にとって、慶弔の講習会に無料で出るようなものです。

香典を持参することもありますが、これは会社から出ますので、私の懐は全く痛みません。

会社で秘書をしている人や、総務関係の仕事をしている人は、慶弔のスキルアップのため、積極的に葬儀に参列されたら良いと思います。

只、最近は家族葬をされることが多いので、葬儀に参列できる機会が減ったのは、ある意味残念なことだと思います。

空飛ぶ男女

最後に

「葬儀」という言葉はいろんな解釈があり、私も秘書になりたてのときは戸惑っており、私なりに整理をして、この記事でご紹介させていただきましたが、おわかりいただけましたでしょうか。

秘書として数多くの葬儀に参列しまして、その経験を基にして葬儀のマナーを皆さんにご紹介できるようになりましたが、この記事を書いていて、葬儀で一番大事なことは、マナーの形にとらわれるより、故人の冥福を祈り、遺族をお慰めするという心が一番大事だと改めて思いました。

この記事のポイントは次のとおりです。

ポイント

・葬儀とは「葬送儀礼」を略したもので、本来の意味は、人が亡くなってから葬る一連の儀式のこと。

・通夜・葬式の進行は宗教、宗派や地域などによってまちまち。

・葬儀は遺族に弔意を伝えるための良い機会。

葬儀は慶弔の中でも最も厳粛な儀式だと思います。

葬儀のことを理解できれば慶弔のことも理解できると思いますので、秘書や総務で仕事をしている人は、積極的に葬儀に関わっていただければと思います。