弔事

葬式の手伝いを頼まれた時にすること・気をつけること・役に立ったこと

葬儀の受付

こんにちはユキです。

葬式を葬儀場で執り行う際に、葬儀社が葬式を執り行ってくれますが、受付や香典の管理などは喪家がしなければなりません。

そのような喪家が葬式でしなければならないことを手伝ってもらえれば、遺族はどんなに助かるでしょう。

私は会社の秘書をしていたときに、取引先や会社関係の葬式を数多く手伝いましたが、葬式でどんな手伝いをしたのか、葬式の手伝いでどんなことに気をつけていたのか、葬式の手伝いでどんなことが役に立ったのか、などをこの記事で詳しくご紹介させていただきます。

あなたがもし葬式の手伝いを頼まれたなら、参考にしていただければ幸いです。

 

葬式の手伝いを申し出たいときや葬式の手伝いを頼まれたときの対応

取引先や会社の関係の人が亡くなったときに、葬式を手伝ってくれる人がいると遺族も助かります。

特に取引先の葬式で手伝うことになると、緊張はしますが、滞りなく役割を果たせますと、取引先との関係も良好になり、自社にとってプラスの結果になります。

ですから、大事な取引先に不幸があった場合、こちらから葬式の手伝いを申し入れることもあります。

その際、押しつけがましくなく、さりげなく葬式の手伝いを申し出るようにします。

また、取引先や会社の関係の人の葬式で、先方から手伝いの依頼をされることもあります。

その場合、よほどの事情がない限り、引受けるのがよいと思います。

取引先の葬式の手伝いをすることによって、先ほど申し上げましたように、取引先との関係が良好になりますし、葬式の手伝いをすることによって、自身の慶弔スキルの向上にもつながります。

葬式の手伝いの役割とは

私が葬式の手伝いをさせていただいた際に、主に連絡係・受付係・会計係・弔電係・案内係の役割がありました。

具体的な係の内容は次のとおりです。

葬式前の手伝い

連絡係

葬式の連絡係は、自社の関係の人が亡くなったときに、手伝うことが多い係です。

誰がいつ亡くなったのか、葬式がいつ・どこであるのか、などを関係している会社や人に、通夜までに連絡します。

亡くなった人の家族は職場の関係者などを知らないケースが多いので、遺族は助かると思います。

次のような内容を、電話・Fax・メールなどで関係者に伝えます。

・亡くなった人の名前

・亡くなった日時

・葬式(通夜・葬儀)の日時と場所(メールで連絡するときは、葬儀会場のホームページのURLをつけておくと便利です)

・喪主の名前と故人との続柄

・香典・供物などを辞退する場合はそのことも伝える

この他、亡くなった人の年齢、葬式の形式(仏教・神道・キリスト教などの宗教や、仏教の宗派)などを聴かれるかもしれませんので、予め知っておいた方が良いと思います。

ファクシミリ

葬式当日の手伝い

受付係

葬式への参列者に芳名帳に記帳をしてもらったり、名刺をもらったり、香典を預かったりします。

この受付係を会社関係の人をよく知る人がすると、遺族は助かります。

受付係の流れは次のようになります。

・葬式の受付開始前に芳名帳・筆記具や名刺入れなどを、受付台セットしておく。

・葬式参列者が受付に来たら、「本日はお忙しいなかお越しいただき、有難うございます」というように、葬式に来ていただいたことに対するお礼を申し上げる。

・香典を受け取る際は「お預りします」といい、両手で受け取り、一礼する。

・香典を辞退する場合に、香典を出されたら、「誠に勝手ではございますが、故人の遺志により香典は辞退させていただきます。お気持ちだけ有難く頂戴します。」と言って、香典を断る。

・参列者に「恐れ入りますが、お名前とご住所をお書きください。」と言って、芳名帳に名前や住所を書いていただく。
名刺での受付をする場合は、参列者から名刺を両手で受取り、名刺帳に差し込む。

・弔電が届いたら預かり、弔電係に渡す。

・葬式が始まったら、会計係に香典を渡す。

葬式の参列者から、化粧室や駐車場の場所などを受付で聴かれることもありますので、事前に葬儀場の様子を把握しておいたほうが良いと思います。

受付での記帳

会計係

受付が預かった香典は誰からいただき、金額がいくらなのかを、集計したり管理したりします。

基本的には遺族を主にして、その補佐をするということになると思います。

また、会計係はお金を扱いますので、私が勤めていた会社では、間違いを避けるために複数の人数で手伝いをしていました。

具体的には次のような手伝いをします。

・用意するもの:電卓、筆記用具、メモやノートなどの記入用紙、輪ゴム、香典を入れる袋。
(直接データ入力をする場合は、ノートパソコンを用意すると便利です。)

・受付係から香典を預かる。

・香典袋(不祝儀袋)から現金を取り出し、香典袋に書かれている金額と現金の額に、差異がないかを確認をして、香典帳(ほとんどの場合、葬儀場で用意されています)に名前と金額を記載する。
香典袋に書かれている金額と現金の額に差異があった場合は、香典帳以外の用紙にメモ書きをし、あとで遺族に報告をし、本人に伝えるかどうかを相談する。

・現金を数えて合計金額を記入用紙に書き、香典帳の合計金額と差異がないかどうかを確認する。

・香典袋を輪ゴムでまとめる(10枚くらいづつ)。

・現金を遺族があとで数えやすいようにしてまとめる。

・遺族に現金と香典帳を渡す。

電卓とお札

弔電係

弔電は葬儀で読まれることが多いのですが、葬儀でどの弔電を読むのか、読む順番はどうするのか、これも遺族が職場関係のことをご存じない場合、お手伝いすると助かると思います。

具体的には次のような手伝いをします。

・弔電をわかる範囲で、弔電の送り主を会社関係・親戚・友人などに分別する。
わからない場合は、遺族に確認する。

・会社関係の人からの弔電で、弔電拝読で読んでもらいたい人をピックアップし、読む順番とともに遺族に提案する。

・弔電拝読をする弔電で、読みにくい漢字があればふり仮名をつける。

・全体の弔電の扱いについて、遺族から相談があればアドバイスをする。

案内係

葬式で、会社関係などで丁重に扱わなければならない参列者がいる場合、職場の人がエスコートしてあげると、喪家にとっても失礼がなく助かります。

只、案内は基本的には葬儀社の人がしますので、葬儀社の係の人が補えないところを手助けします。

葬式での案内係は次のような動きをします。

・受付近くに立って、受付を済ませた参列者に席の方向を示す。

・会社関係の重要な参列者で、席を確保している人がいる場合は、その席に案内する。

・会社関係などで遺族に紹介した方が良いような人がいれば、その人を遺族のところに案内し、遺族に紹介する。

葬儀の案内

葬式の手伝いの服装

葬式の手伝いをするときは、普通に参列をするときよりも、服装に気をつけなければいけないと思います。

葬式で手伝いをする人は、参列者から見ると喪家側の人と思われます。

手伝いの人がだらしのない服装でいますと、遺族に迷惑をかけることになります。

特に受付係の人は、遺族に代わって参列者を迎えますので、特に服装に気をつけるべきだと思います。

男性は黒の喪服に白い無地のワイシャツ、黒の靴下をはき、黒のネクタイをし、黒の紐靴で、エナメル素材や飾りのついた靴は避けた方が良いでしょう。

女性は黒の喪服やワンピースを着て、黒かベージュのストッキング、黒い靴を履き、バッグも黒いものを選び、エナメル素材や派手なものは避けた方が良いでしょう。

葬式の手伝いでお礼をいただいたときの対応

葬式の手伝いをしたときに、遺族から現金や商品券をお礼としていただくことがありますが、受取ってもいいものかどうか迷う人もいるかもしれませんが、私は遠慮をせずに受取っています。

あまり役に立っていないのに、こんなに過分なことをしていただいて、と恐縮しますが、遺族も手伝っていただいたことへの感謝の気持ちを表したいでしょうし、故人の供養だと思っているかもしれませんので、その気持ちを素直に受けるのが良いと思います。

葬式の手伝いで気をつけること

葬式の手伝いを頼まれたときに、私は次のようなことに気をつけて手伝うようにしています。

まず、喪家の一員であるという意識を持つようにしています。

なぜなら、葬式に来る人から見ると、例えば受付にいる人が故人の親族だと思う参列者が多いからです。

ですから、葬式の手伝いをするときには、周りの人と談笑をしたりしないで、神妙な面持ちでいるようにしています。

また、あくまで手伝いですのであまり目立たず、さりげない振舞いをするよう心がけています。

弔事を長年経験してくると、遺族が気付かないことなどが気になってきます。

以前、私の親戚に不幸があったときに葬式を手伝ったときのことですが、遺族が気付かないことについ口出しをしてしまいました。

そのとき、遺族は言ってくれて有難いという反面、何故あなたからそんなことを言われるの、という感じで顰蹙を買ってしまいました。

これが親戚だからまだ問題がなかったのですが、取引先などの葬式の手伝いのときに出しゃばったことをやってしまうと、問題になっていたと思いますので、それ以降私は手伝いの際には大人しくするようにしました。

葬儀場

葬式の手伝いをして役に立ったこと

私は秘書をしていたときに職務柄、職場や取引先の葬式の手伝いを何度か経験したことがあります。

最初の頃はプレッシャーがかかり、手伝いをすることを引き受けるんじゃなかった、と後悔していました。

でも、慣れてくるととても勉強になることが多く、新たな発見を期待して、楽しんで手伝いしていたものです(遺族の前では楽しんでやっているなんて言えませんが・・・)。

葬式に参列するととても慶弔の勉強になりますが、葬式の手伝いをすると、参列よりも更に深い慶弔の勉強ができると感じています。

一番多く葬式の手伝いをしたのは受付ですが、参列者からいろいろな挨拶を受けることができます。

参列者は受付に立っている人を、遺族につながる人と見ているので、お悔やみの言葉をかけてきます。

その中で気の利いた言葉を覚えておいて、今度自分が弔問に行った際に活用しています。

秘書の人が会社のトップの名刺を持って代理で参列する時があります。

そのときの言動は注意深く観察しています。

その会社のトップの弔意と、参列できないことへのお詫びを伝えながら名刺を渡すので、なかなか難しいものです。

それをそつなくこなしている秘書の人を見たとき、そのポイントを自分が同じ立場になったときに活用させていただいています。

訃報の連絡をしたときに役立ったことは、伝えるべき項目が良く分かったことです。

一般的には前述のように、亡くなった人の名前、葬式の日時・場所、喪主の名前や故人との続柄などを伝えますが、その際、仏教か神道かキリスト教かを聴かれたり、故人の年齢や死因を聴かれたりすることがあります。

宗教を聴かれるのは香典袋の表書きのためですし、故人のことを聴かれるのは弔電作成の参考にするためだと思います。

また最近は香典や供花を辞退することがほとんどですので、香典や供花を受けてもらえるのかどうかを聴かれることがよくあります。

忙しい人が多く参列する葬儀では、終了予定時刻もよく聴かれました。
次の予定の調整するためでしょうね。

こういうことを知っておくと、自分が訃報を受けたときに連絡内容に不足がないかどうかわかりますし、必要な事項を確認して上司にそつなく伝えることができます。

以上、葬式の手伝いをして役立ったことを紹介しましたが、一番役立ったのは、葬式の様子を全体的に見ることができることです。

葬式に参列しただけでは、葬式の準備段階や終わってからの様子や、全体の様子がわかりませんが、葬式の手伝いをすると葬式の内容を深く知ることが出来ます。

ですから葬式の手伝いを頼まれた場合、私は積極的に手伝いをするようにしています。

頼まれない場合でも親しくしている会社の関係者の葬式の時には、先方の秘書や総務の人に「なにかお手伝いすることがありましたら、何なりと仰ってください」と言っています。

その場合、決して押しつけがましくならないように、さりげなく申し出をします。

皆さんも機会があれば、葬式のお手伝いをすることをお薦めします。

最後に

葬式の手伝いを頼まれたときに、何を、どのように、どこに気をつけて行動すれば良いのかが、少しでもおわかりいただけましたでしょうか。

この記事のポイントは次のとおりです。

ポイント

・葬式の手伝いをすることによって、葬式の知識が身に付く。

・葬式の際に遺族がしなければならないことがあるが、それを遺族に代わって手伝いをすると遺族が助かる。

・葬式の手伝いをするときは、喪家の一員だということと、目立たないようにするという意識を持つ。

・葬式の手伝いをすることによって、葬式の知識が身に付く。

最近は家族葬が多く、葬式の手伝いをする機会が減りましたが、もしチャンスがあれば皆さんも積極的に葬式の手伝いをされたらいかがでしょうか。