慶弔マナー

オリジナリティーのある時候挨拶を各月8つ×12か月=96の例文を紹介します

年間イメージ

手紙の構成は、拝啓などの頭語と時候の挨拶からなる「前文」、用件を伝える「主文」、結びの言葉と敬具などの結語からなる「末文」、日付や双方の名前を書く「後付」でできていますが、皆さんは手紙を書くときに最初の時候の挨拶の文面で悩んで、なかなか手紙を書くことができないという経験をされたことはないでしょうか。

私も企業で秘書をしていたときに、上司に代わってお礼状などの手紙を作成していましたが、なかなか気の利いた時候の挨拶が思い浮かばず、春でしたら「春暖の候」、夏でしたら「盛夏の候」、秋でしたら「仲秋の候」、冬でしたら「寒冷の候」などの「〇〇の候」といったありきたりの時候の挨拶にしていました。

でも、だんだん経験を積むに従って、個性がないように何となく思うようになり、また、取引先からの手紙で心に触れるような時候の挨拶に出会うこともあり、オリジナリティのある時候の挨拶文を書きたくなりました。

案内状などの堅苦しい手紙の場合は、「○○の候」という書き方がいいと思うのですが、お礼状などこちらの気持ちを伝える手紙の場合は、書き出しの挨拶も気持ちを入れた季節感のある文章にした方が良いと思い、俳句の季語を活用しながら自分なりの気持ちを表した、オリジナリティーのある時候の挨拶を作るようにしました。

そうすることによって最初の文面で良い印象を与えますし、そのあとの手紙の文面も丁寧に読んでいただけると思ったからです。

この記事では、私が実際に使用した時候の挨拶の例文を月ごとにご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

オリジナリティーのある時候挨拶の月ごとの例文

1月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

三寒四温を感じながら春の訪れを楽しみにしています
※三寒四温(さんかんしおん):春が近い頃の気象現象で、三日ほど寒い日が続いたあとで四日ほど暖かい日がつづく

・今年も良い年になりますようにと福寿草に願いを込めています
※福寿草(ふくじゅそう):花のこがね色とその名がめでたいことから新年の花とされる

福寿草福寿草(ふくじゅそう)

寒稽古の子供たちの元気な声に励まされています

・今年も元気に頑張ろうと自分に喝を入れながら七種粥をいただいています
※七種粥(ななくさがゆ):春の七草を入れた粥で、一月七日に食べると万病に罹らなくなるという

千両の赤い実に暖かさを感じています

千両千両(せんりょう)

風花とダンスをしたくなります
※風花(かざはな):晴れた空を雪がひとひらずつ舞落ちてくること

・希望に満ちた新成人たちにエールを送っています

寒牡丹の大輪が冬空を彩っています

寒牡丹寒牡丹(かんぼたん)

 

2月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

の香に春の足音を感じています

・日毎ふくらむ猫柳に春の訪れを感じています

猫柳猫柳(ねこやなぎ)

蕗の薹のほろ苦さに淡い初恋を思い出しています
※蕗の薹(ふきのとう):早春、蕗の新葉が出る前に根茎から出た卵形をした緑色の花茎のことで、特有の香気とほろ苦い風味が喜ばれる

・「もうすぐ春だよ」とが鳴いています

冴返る朝、気を引き締めて出勤しています
※冴返る(さえかえる):春さき、暖かくなりかけたかと思うとまた寒さが戻ってくること

早春の小川がリズミカルに流れています

山茱萸の火花のような花に手をかざして暖をとりたくなります
※三茱臾の花(さんしゅゆのはな):葉の出る前に細かな枝の節々から黄色い四弁の小花が球状に群がり咲き、火花が出ているように見える(⇐これは私の個人的な感想です)

三茱臾三茱臾(さんしゅゆ)

下萌えが足の裏に春の訪れを感じさせてくれます
※下萌(したもえ):早春に去年の枯草に隠れるように草の芽が生え出ること

3月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

・見た目は可憐なが道端で力強く咲いているのを観ますと勇気が湧いてきます

菫菫(すみれ)

・朝のまどろみの中で春雷が遠くから聞こえてきます
※春雷(しゅんらい):春の訪れを伝えてくれる雷で、積乱雲の起こす夏の雷の烈しさはない

山笑い自然界に明るさが戻ってきました
※山笑う(やまわらう):草木が芽吹き、花が咲き鳥のさえずる春の山を擬人化したもの

水温み朝の洗顔が苦でなくなってきました
※水温む(みずぬるむ):春になって、水の温かさを増してくること

蒲公英の綿毛を飛ばす風が心地良く感じられるようになりました

蒲公英(たんぽぽ)

・日毎暖かくなり癒されています

・家々から香ってくる鮊子の釘煮に空腹を感じます
※鮊子(いかなご):春に獲れる小魚で、釘煮は関西の郷土料理で自宅で作ることが多い

土筆の子がもっと大きくなりたいと背伸びをしています

土筆土筆(つくし)

 

4月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

草餅桜餅が和菓子店に彩を添えています

沈丁花の芳香が湿った空気を和ませてくれます
※沈丁花(じんちょうげ):花は名の示すとおり沈香と丁字の香を併せもち、その鮮やかな匂いで春の到来を告げる

沈丁花沈丁花(じんちょうげ)

・青空に辛夷の白がくっきりと映えています
※辛夷(こぶし):六弁の白い花を枝先につけ、つぼみの形が赤子のこぶしを連想させるのでこの名がつけられた

辛夷辛夷(こぶし)

桜花爛漫に全身がウキウキします
※桜花爛漫(おうからんまん):桜の花が満開になって、みごとに咲き乱れているさま

・月明かりに紫木蓮が妖艶に咲いています
※紫木蓮(しもくれん):木蓮には白木蓮と紫木蓮があるが、紫木蓮は妖艶な感じがする

紫木蓮紫木蓮(しもくれん)

麗かな日和が小旅行に誘っています
※麗か(うららか):春の日がうるわしくなごやかに照って、全ての物が輝いている状態

チューリップがみんなで背比べをしています

チューリップチューリップ

・オフィス街の藤棚がオアシスの役目をしています

藤棚藤棚(ふじだな)

 

5月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

牡丹が堂々と咲き誇っています
※牡丹(ぼたん):大輪の花を咲かせ、その姿は華麗で、花の王と呼ばれる

牡丹牡丹(ぼたん)

こいのぼりが風にたなびきながら元気に泳いでいます

柏餅が祖母の思い出を蘇らせてくれます

・一服の新茶が心にゆとりを持たせてくれます
※新茶(しんちゃ):お茶は年四回摘み取られるが、その年の最初(4月終わり~5月中旬)に摘み取られるお茶を新茶といい、香りはよく、おいしいお茶である

若楓が光のレースに包まれて目に優しく映ります
※若楓(わかかえで):楓の若葉のことで、秋の紅葉もさることながら、初夏の若葉の美しさもまた格別のものがある

若楓若楓(わかかえで)

新緑がオープンカフェの昼下がりを心地よくしてくれます

若葉風が街を浄化してくれているようです
※若葉風(わかばかぜ):初夏、若葉に吹く風

バラ園でデコレーションケーキの中にいるような気分を楽しんでいます

バラ園バラ園

 

6月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

紫陽花が雨に濡れて輝いています

紫陽花紫陽花(あじさい)

雨蛙が恵みの雨を降して有頂天で鳴いています

・曇天を破るようにが伸びています
※葵(あおい):高さは2メートルほどで、6月から7月にかけて、葉腋に短い花柄を持った大きな花を下から順に咲きのぼる

葵葵(あおい)

・幸せをぎゅうぎゅう詰めにしたようなサクランボが店頭に並んでいます

杜若が水明かりにしっとりと咲いています
※杜若(かきつばた):5~6月ごろ池や沼などの水辺に咲き、形はあやめを少し大きくした感じである

杜若杜若(かきつばた)

青梅に梅酒作りを誘われています
※青梅(あおうめ):梅は梅雨の頃みずみずしい浅みどりの芳香のある実を結ぶが、熟さない梅の実のことで、固くて酸味が強いが、梅酢や、梅酒、煮梅などを作る

蝸牛が雨のエネルギーで元気に這っています

蝸牛蝸牛(かたつむり)

万緑充つる山々に活気がみなぎります
※万緑(ばんりょく):辺り一面が草木の緑に覆われた状態で、初夏の新緑のみずみずしい緑よりも強い、真夏の深い緑

7月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

蝉時雨が夏の盛りを一層賑やかにしております
※蝉時雨(せみしぐれ):蝉がいっせいに鳴き始め、まるで時雨が降ってきたように大音量で蝉の声が聞こえること

・暑さに負けず向日葵が元気に咲いています

向日葵向日葵(ひまわり)

海開きに子供たちの歓声と波の音が交錯する風景が浮かびます
※海開(うみびらき):7月10日前後に海水浴場を開く日のことで、遊泳の安全祈願の神事などをしてから泳ぎ出す

山開きの季節になりますといつかは富士山に登ってみたいという希望が湧きます
※山開(やまびらき):夏山のシーズンの初めに、その年の登山の安全を祈願して各山で行われる儀式

・ジョギングの道端の鉄砲百合がファンファーレを吹いて応援してくれます

鉄砲百合鉄砲百合(てっぽうゆり)

梅雨明けに身も心も晴れています
※梅雨明け(つゆあけ):梅雨前線が北上し、洋上に抜けると梅雨が終わり、梅雨明けとなる

夕立が嫌なことも洗い流してくれています
※夕立(ゆうだち):夏の午後のにわか雨のことで、ときに雷をともない激しく降るが短時間で止み、涼しい風が吹きわたる

・満開の睡蓮がモネの絵を見せてくれています
※睡蓮(すいれん):7月から8月にかけて、水面に浮かぶように咲く花で、印象派のモネが好んで描いた花でもある

睡蓮睡蓮(すいれん)

 

8月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

・各地で花火大会が夏の夜を美しく彩っています

が行く夏に趣を添えています
※蜩(ひぐらし):明け方や日暮に澄んだ鈴を振るような声でカナカナと鳴き、鳴き声には哀れさがあり人の心に染みるようである

蜩蜩(ひぐらし)

新豆腐を調理しないで美味しくいただいています
※新豆腐(しんどうふ):秋に収穫された新大豆で作った豆腐のこと

・一日の始まりを朝顔に元気づけられています
※朝顔(あさがお):朝早く開いて昼前にはしぼんでしまう儚さが日本人の心をとらえる

朝顔朝顔(あさがお)

西瓜の種を飛ばしながらナイターを楽しんでいます

秋めく風に人心地ついています
※秋めく:周辺の景色や空気が秋らしくなってくること

酔芙蓉を愛でながら一献傾けたくなります
※酔芙蓉(すいふよう):朝咲き始めた花弁は白いが、時間がたつにつれてピンクに変色し、まるで酔ったようになるのでこの名がついた

酔芙蓉酔芙蓉(すいふよう)

桐一葉落ちて猛暑を忘れています
※桐一葉(きりひとは):秋に桐の葉が落ちること

9月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

・幼子がに隠れている様子を懐かしく思い浮かべています
※芒(すすき):若い穂はしっとりとして油に濡れたようで、銀色の穂がいっせいになびくさまは壮観である

・凛とした風情で桔梗が咲いています
※桔梗(ききょう):きりっとした輪郭、折り目ただしい花の姿には凛とした風情がある

桔梗桔梗(ききょう)

・夕焼けに向かって赤蜻蛉が今日もお疲れさんと言いながら飛んでいます

・夕焼けに染められて彼岸花が一層赤く咲いています
※彼岸花(ひがんばな):秋の彼岸のころに、花茎の先に強く反り返った鮮やかな赤い花だけが咲く

彼岸花彼岸花(ひがんばな)

秋刀魚を焼く匂いが家路へと急がせます

・風になびく乙女の髪に秋桜が髪飾りになって揺れています

秋桜秋桜(コスモス)

・仏壇に供えたが線香に負けじと芳香を放っています

・仕事帰りの疲れを金木犀の甘い香りが和ませてくれています
※金木犀(きんもくせい):9月から10月にかけて、細かい橙黄色の十字の花をつけ、芳香を放つ

金木犀金木犀(きんもくせい)

 

10月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

馬肥ゆるごとく何を食べても美味しい季節となりました
※馬肥ゆる(うまこゆる):さわやかな秋気に馬もたくましく肥え、毛並みのつやも増すこと

・昔話を菊人形が優雅に表しています
※菊人形:菊の花を衣装にみたてた人形で、当たり狂言の名場面を菊人形で再現したり、その年話題になった時代劇の主人公をモチーフにしたりする

菊人形菊人形(きくにんぎょう)

新米の美味さに日本に生まれて良かったと思っています
※新米(しんまい):その年に収穫した米で10月頃に出回る

・祖父に連れてもらった秋祭りの金魚すくいを懐かしんでいます
※秋祭り:農耕の収穫に感謝する秋季に行われる祭り

・郊外への訪れを案山子が出迎えてくれています
※案山子(かがし):稻を鳥から守るため田に立てる人形で、人のかたちに似せて、藁などで作る

案山子案山子(かかし)

・山が紅葉の頬紅をさしています

銀杏の実を炒る匂いだけで酒がすすみます
※銀杏の実(いちょうのみ):銀杏が黄葉する頃、雌の株に黄色く熟す丸い実で、果肉の中に堅い種子があり、これを取り出して食用とする

銀杏の実銀杏の実(いちょうのみ)

青蜜柑の甘酸っぱさが小学校の遠足の思い出とともに口の中に広がります
※青蜜柑(あおみかん):蜜柑のうち、果実の色の青い頃から食べられるもので、甘酸味がある

11月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

・子供たちの粧し込んだ七五三の姿が微笑ましく感じられます
※七五三(しちごさん):11月15日、男児の数え三歳と五歳、女児の三歳と七歳が神社に詣でて祝う行事

山茶花の紅がかじかんだ手を少し暖めてくれるような気がします
※山茶花(さざんか):秋の終わりから、初冬にかけての寒い時期に、5枚の花弁の花を咲かせる

山茶花山茶花(さざんか)

冬紅葉が冬の光を集めて輝いています
※冬紅葉(ふゆもみじ):紅葉し尽くしたあとに、更に濃く、透き通るように残った紅葉

落葉の絨毯がアスファルトの路を柔らかくしてくれています

石蕗の花が風に吹かれておどけています
※石蕗の花(つわのはな):長い葉柄(軸)を持ち、初冬に黄色い花を多数つけ、風に揺れるとおどけたように見える

石蕗の花石蕗の花(つわのはな)

・街灯がに揺れて幻想的に輝いています
※凩(こがらし):冬の到来を告げる強い北風

・職に就いていることを喜びながら勤労感謝の日を過ごしました
※勤労感謝の日(きんろうかんしゃのひ):11月23日の国民の祝日で、働くことを喜び働く人に感謝する日

冬晴れに丸まった背がシャッキっと伸びます
※冬晴(ふゆばれ):穏やかに晴れわたった冬の日

12月の時候挨拶例文

注:例文の赤字は季語を表しています。

短日に新聞のテレビ欄を真っ先に見ています
※短日(たんじつ):冬の日の短いことをいう

粕汁が冷え切った身も心も温めてくれる季節になりました
※粕汁(かすじる):塩ザケ、塩ブリなどのアラを水から煮出し、魚の出汁がでたところへ、大根人参などの季節の野菜を入れ、すり鉢でよく擂(す)った酒粕をとかし入れたもの

霜柱のザクザクという音に歩行のリズムがついています
※霜柱(しもばしら):寒さによって地面の水分が凝結して、地表を押し上げるもので、針を立てて並べたような形をしている

霜柱霜柱(しもばしら)

炬燵で心地よいまどろみを味わっています

冬至も過ぎこれから少しづつ日が長くなるのが楽しみです

クリスマスソングが街を活気づけています

枇杷の花が奥ゆかしく咲いています
※枇杷の花(びわのはな):冬、枝先に帯黄白色の五弁の小花をつけ、目立たない花ではあるが芳香があり、この季節に咲く花としては趣がある

枇杷の花枇杷の花(びわのはな)

・来る年に期待を膨らませながら日記を買いました
※日記買う:来る年に使う日記を買うことで、年末に買うことが多い

時候の挨拶には俳句の季語を入れて季節感を出す

例文に赤字で示したように、時候の挨拶には全て俳句の季語を入れています。

俳句の季語を入れることによって、季節感がとても広がるからです。

季語は春夏秋冬で分けているものがありますが、例えば春の初めでしたらまだ冬の寒さが残っていますし、春の終わりでしたら日によっては初夏のようなときもあります。

ですから、私は1月に書く手紙には1月の季語、2月に書く手紙には2月の季語というように、月ごとの季語を調べて、それを使うようにしています。

調べる方法は私の場合、月別に季語を分けた句集が家にありましたので、それを参考にしたのですが、ネットで季語・月別一覧で検索すれば簡単に出てきますので、それを参考にすれば良いと思います。

例えばトマトは7月の季語ですが、一年中店頭に並んでいます。
運動会は10月の季語ですが、最近は1学期に行う学校も増えていると聞きます。
ですから、その季節でないと見られないものや事象の季語を選んでいます。

また、俳句の季語には誰も知らないような言葉もありますが、それらも勿論除いています。

ただ、俳句の季語を時候の挨拶に入れるだけでいいということではないと思います。

そこに自分が感じたことを表現することが大事です。

自分が感じたことなので、本当は「・・・のように感じました」と書くべきなのですが、文がだらけてしまいますので、断定的にしています。

季語を時候の挨拶に活用する場合、やはり俳句の基礎知識を持っておいたほうが良いと思います。

俳句の季語は奥深く、季語一語で大きな広がりを持っています。

ですから、五・七・五の17音しかない俳句が、季語のお陰で読み手に思いを伝えることができるのです。

私も俳句の本を読み、季語の威力を知っていましたので、時候の挨拶を作るうえでとても役に立ちました。

俳句
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時候の挨拶で気をつけていること

時候の挨拶はポジティブな表現にする

時候の挨拶文を作るとき、相手に心地よく読んでいただくことに心掛けていますが、ネガティブな表現ではなく、ポジティブな表現をすることが大事だと思います。

例えば、6月でしたら、毎日鬱陶しい天気ですというようにはせず、アジサイが雨に濡れて綺麗だというようなことにしています。

その方が読み手も心地良くなると思います。

時候の挨拶は相手によって季語を考慮している

手紙を差し出す相手によって、使う季語を考慮しています。

例えば、雪国の人は毎年冬になると豪雪で苦労しています。

雪が家の屋根を押しつぶすくらい積もり、毎日雪下ろしをしている地域の人は、雪を恨んでいるかもしれませんので、雪の美しい情景を表した季語を使わない方が無難だと思い、雪とは関係のない季語にしています。

クマが手紙を書く

俳句の季語を入れたオリジナリティーのある時候の挨拶にするメリット

俳句の季語を入れて、自分が感じたことを表現したオリジナリティーのある時候の挨拶を、手紙の冒頭にいれることによって、次のような効果があると思います。

・「〇〇の候」というような定型の時候の挨拶が堅苦しい印象を与えるのに対し、柔らかく親しみのある感じを読み手に与える。

書き手の気持ちを伝えることができる。

・書き手が季節をどのように感じているかで、個性を伝えることができる。

「始めよければ終わりよし」という言葉がありますが、手紙の読み手に最初に好印象を与えれば、読み手は最後まで手紙を丁寧に読んでいただけると思います。

読み手に好印象を与える時候挨拶文を作るには、季節の変化を感じることです。

季節の変化を感じるためには、自然界の現象を観察することが大切です。

五感を研ぎ澄まし、自然界を観察することを日常的にすれば、私が作った前述の時候挨拶よりずっと素晴らしい文面ができると思います。

また、自然界を正しく観察していると、自分が幸福になるヒントを得ることができます。

良い時候挨拶を作るために自然界を観察することによって、自分が幸福になるヒントを得る、このことがオリジナリティーのある時候の挨拶を用いることの最大のメリットではないでしょうか。

自然の観察

最後に

手紙の時候の挨拶について、私の拙い例文をご紹介しながら書かせていただきましたが、参考にしていただき、読み手に感動を与える時候の挨拶文を作られることを期待しています。

この記事でのポイントは次のとおりです。

ポイント

・時候の挨拶には月ごとの俳句の季語を入れる

・時候の挨拶に自分が感じたことを表現する

・良い時候の挨拶を作るには俳句の基礎知識があったほうが良い

・時候の挨拶にはポジティブな表現をすることと、手紙の受取人の状況を考慮することが大切

・オリジナリティーのある時候の挨拶は、柔らかく親しみのある感じを読み手に与え、書き手の気持ちや個性を伝えることができる。

・読み手に好印象を与える時候挨拶文を作るには、自然界の現象を観察し、季節の変化を感じ取ることが大事

皆さんならきっと素晴らしい文章を作ることができると思います。

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