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上司が取引先の周年記念式典でスピーチを頼まれたときのアシストの仕方

周年記念式典イメージ

取引先が創業○○周年を迎え、記念式典を催すことになり、あなたの会社の代表者に式典の席でのスピーチを頼まれたときに、会社で秘書や総務の仕事をしておられるあなたは、記念式典でのスピーチのアシストをすることになりました。

その際どのようにすればよいのか悩みますよね。

この記事では私が企業の秘書をしていたときに、上司が取引先から周年記念の式典でスピーチを頼まれた際に、スピーチの原稿作成のためにどのようなアシストをしていたかを紹介させていただきます。

参考にしていただければ幸いです。

上司が取引先の周年記念式典でスピーチを頼まれたら秘書は何をする?

取引先の創業・創立の周年記念式典で、上司である社長や会長にスピーチの依頼がきた時に、私が秘書として何をしていたのかを列挙しますと次のとおりです。

①周年記念式典の概要の確認

②スピーチを引受けるかどうかを上司と相談

ー引受ける場合ー

③スピーチ原稿作成のための情報収集

④スピーチ原稿の構成を考える

⑤スピーチ原稿の作成

これらのことをどのようにしていたかを、具体的に紹介させていただきます。

おめでとうございます

取引先の周年記念式典の概要の確認

取引先などから周年記念式典でのスピーチの依頼が上司にあった時に、まず先方に周年記念式典の概要を聴きます。

聴く内容は次のとおりです。

周年記念式典の日時
周年記念式典の場所
どのような立場で周年記念式典に出席するのか(仕入先代表・お得意様代表・近隣の代表 など)
何周年のお祝いなのか(創業なのか創立なのか設立なのかも確認する)
我が社の経営者にスピーチを依頼された理由(取引関係の深さ など)

取引先の周年記念式典でのスピーチを引受けるかどうかを上司と相談

次に周年記念式典の概要を基にして、スピーチの依頼を受けるのかどうかを、スピーチの依頼があった上司と相談します。

まず、上司がスピーチを述べる意思があるかどうかを確認します。

スピーチの依頼があった取引先との今までのつながりや、引受けることのメリット・断ることのデメリットなどを考えて上司は引受けるかどうかを判断し、引受ける場合は周年記念式典の日時に上司が出席できるかどうかを確認します。

周年記念式典の日時に予定が入っていない場合は問題ないのですが、他の予定が入っている場合は、その予定の重要さと周年記念式典に出席してスピーチを述べることの重要さを天秤にかけます。

周年記念式典でスピーチを述べる方が大事である場合は、元の予定を断ったりしますが、どちらも甲乙つけ難い時は、スケジュール調整に苦労しており、両方こなせるように考えたりすることもありましたが、それでも調整できない場合は、どちらかに代理を立てたり、何らかの方法で双方顔が立つようにしていました。

上司から周年記念式典でのスピーチを断って欲しいと言われた場合は、差し障りのない断る理由を上司と相談をして、先方に伝えるようにしていました。

その際、周年記念式典にに向けて祝電を打ったり、お祝いを贈るなどの対応をしていました。

取引先の周年記念式典でのスピーチのための情報収集

スピーチのネタのために次のような情報を集めていました。

創業(創立)当時のこと

創業(創立)の年月日、創業(創立)の場所、創業者、創業時の社名、どのように会社を立ち上げたのか などの情報を集めます。

例えばソニーの場合、次のような内容になると思います。

創業年月日:1946年5月7日
創業の場所:東京都中央区日本橋
創業者:井深大、盛田昭夫、太刀川正三郎など
創業時の社名:東京通信工業株式会社
創業の目的:「技術者がその技能を最大限に発揮することのできる”自由闊達にして愉快なる理想工場”を建設し、技術を通じて日本の文化に貢献すること」
どのように:日本橋の白木屋3階の一室で、資本金19万円、従業員数約20名の小さな会社としてスタート

 

会社の沿革

沿革とは今日までの歴史や変遷のことですが、会社の創業から今日までどのように歩んできたのかを聴きます。

その中で特に大きな出来事、つまりエポックメイキング的なことがあれば、スピーチの原稿を作成するのにとても役立ちます。

例えばソニーであれば、1950年日本初テープレコーダー販売開始、1955年日本初のトランジスタラジオ発売、1958年東京通信工業株式会社からソニー株式会社へ社名変更 などです。

周年記念式典の式次第

上司の他にどのような人がスピーチするのかがわかれば、話がかぶらないように気をつけることができます。

congratulations

取引先の周年記念式典での祝辞の構成を考える

周年記念でのスピーチの構成は、概ね次のようになります。
①冒頭の挨拶
②自己紹介
③周年記念への祝意や敬意
④主催会社への感謝
⑤締め

それぞれの項目にどのような内容を組み入れるかを、上司の思いを確認しながら考えます。

例えば次のようになります。

①冒頭の挨拶
・周年記念へのお祝いの言葉や、記念式典に招いていただいた感謝の気持ちを伝えます。

②自己紹介
・何故この記念式典でスピーチをするのかを列席者にわかってもらうために、主催会社との関係を述べます。

③周年記念への祝意や敬意
・エポックメイキング的な事例を具体的にあげて、周年記念を迎えられたことへの祝意や敬意の気持ちを述べます。

④主催会社への感謝
・主催会社と自社との取引が始まったときのエピソードなどを具体的にあげ、その中に感謝の気持ちを述べます。

⑤締め
・主催会社の更なる発展を祈る言葉を述べます。

構成を先に考えておくと、何を情報収集すればよいのかがわかりやすくなる場合があります。

取引先の周年記念式典での祝辞の原稿作成

情報収集したスピーチのためのネタを、構成に当てはめて原稿を作成します。

一例をご紹介します。

関東商事様がご創業100周年を迎えられ、心からお祝い申し上げます。

また、このような記念すべきおめでたい席にお招きいただきまして、御礼申し上げあげます。

私は関西工業社長の大阪太郎と申します。

関東商事様には長年にわたり、弊社の製品をご販売いただき、ご指導ご鞭撻をいただいております。

関東商事様が100年間発展を続けてこられた要因はいろいろあると思いますが、一つあげるとすれば、各時代の経営者が常に新しいものに目を向けておられたことではないかと思います。

その表れが、経営者の欧米視察旅行であると思います。

創業間もない大正時代に初代の東京一あずま きょういち様が、昭和になってまもなく二代目の京太郎様が、戦後まもなく三代目の京次郎様が、それぞれ何ヶ月もかけて欧米の様子を肌で感じ、新しい関東商事づくりに生かしておられます。

初代や二代目が行かれた時代の海外旅行は、今とは想像を絶する難事中の難事、命がけの旅行であっただろうと思います。

三代目が行かれた戦後の時代にしましても、大正時代から比べれば安全な旅行にはなっていたでしょうが、海外旅行の自由化になるのは、それからまだ後であります。

そこまでして欧米に行かれるのは何故か。

それは創業当時から日本の文化に欧米の風を吹き込み、新しい文化の創造と普及ということの使命感であると思います。

企業が100年を続けるということは、並大抵のことではありません。
苦しい辛い時に節を曲げず、信義を貫き通すことが必要です。

必要に応じて変えることはたやすいことでありますが、信義を貫くことは、一日たりとも油断することができません。

一日ぐらいという気持ちが人の信を失うことにつながります。

関東商事様には「一業専心」ということが全社員の皆さんに染込んでいます。

100年間、わき目もふらずに和洋融合商品の販売に専念し、地道に努力してこられました。
これを100年間貫き通すことは、並大抵のことではありません。

地震、火事、不景気など、突発的なことが起こった時に上手く対応できれば、その会社なり、経営者なりの評価は上がります。

しかし、平穏な時に日々努力を続ける方が、大切であり、困難なことであり、評価に値します。

この日々の努力がなければ、100年も続きません。

この度、関東商事様が100周年を迎えられましたのは、創業当時から歴代の社長様はじめ、経営陣の方々、社員の皆様が日々一日たりとも休むことなく、「一業専心」に精進努力されたからに他なりません。

衷心よりご敬服申し上げます。

大正○○年頃、関東商事様に関西工業の製品を置いて頂こうと、弊社の創業者大阪一郎が、関東商事の創業者東京一様にお願いしたところ、なかなか取り合っていただけませんでした。
ここで東京一様と大阪一郎との打打発止ちょうちょうはっしのやり取りがあり、ついには置いて頂くことになりました。

これは関東商事様と関西工業との長いお付き合いの中の、一つのエピソードでありますが、あの時、すんなりと大阪一郎の申入れを受け入れて頂いておれば、今の関西工業はなかったと思い、感謝しています。

これからも、次の200年を目指して日々努力を重ねて、益々発展されることをお祈り申し上げまして、お祝い言葉とさせて戴きます。

ご清聴、ありがとうございました。

出来上がった文章を上司に見せて、修正してもらい、原稿として上司に渡します。

マイク

最後に

企業を存続させることは容易ではありません。

ましてや何十年もの長きにわたり企業が生き残ることは、並大抵のことではありません。

そのような企業に敬意を払い、自社の利益に貢献していただいたことへの感謝の気持ちを、取引先の周年記念式典であなたの会社の経営者が伝えることは、今後の取引において大きなプラスポイントになります。

もしあなたの上司が取引先の創業(創立)○○周年記念式典でスピーチを頼まれたとき、あなたのアシストが役に立てばいいですね。