こんにちはユキです。
あなたは葬式(通夜・葬儀)の後で訃報を知ったとき、どのように対応すればよいか困ったことはありませんか?
最近は家族葬など近親者だけで葬式を執り行い、そのあとで外部に訃報を公表されるケースが増えてきました。
私が企業の秘書をしていたときも、葬式後に取引先の訃報を知ったことが幾度かありました。
この記事では、葬式後に取引先の訃報を知ったときの弔事対応を、どのようにすれば良いのかをご紹介します。
参考にしていただければ幸いです。
葬式の後で訃報を知ったときのお薦めの対応
取り急ぎ弔電を打つ
葬式のあとで訃報を知った場合、取り急ぎ取引先に弔電を打って弔意を伝えることをお薦めします。
葬式後に訃報を知った場合の対応について、訪問をするとか、手紙を出すとか、香典を送るなどを薦めているサイトが多くありますが、それらは個人的に親しい関係の場合なら良いと思いますが、ビジネスシーンの場合はそこまですると、かえってご遺族のご迷惑になると思いますし、ご遺族に対して弔意を伝えるのが遅くなってしまいます。
また、最近は家族葬が増えており、そのために葬式後に訃報を知ることが多くなりましたが、家族葬はご遺族が気を遣わないようにしたいとの思いがありますので、過度の対応は控えたほうが良いと思います。
それよりも、ご遺族に対してできるだけ早く弔意を伝えるほうが良いと思いますので、取り急ぎ弔電を打つことをお薦めします。
「弔電は葬儀や告別式の前日までに届くように送らなくてはなりません」と慶弔マナーを紹介しておられるサイトがありますが、これはサイトを運営されている方の意見であって、そのようにしなければならないということではありません。
大手葬儀社でも、葬式の後で訃報を知った場合はすぐに弔電を打って、弔意を早くご遺族に伝えるのが良いと言っており、私もこの意見に賛成で、葬式後の訃報対応ではすぐに弔電を打つのが良いと思います。
企業によっては社葬やお別れの会を執り行う場合があり、これらの会場に弔電を打つのが良いと思われる方もおられるかもしれません。
実は私も取引先のお別れの会に向けて弔電を打ったことがありますが、お別れの会が執り行われるのは亡くなってから暫くしてからですし、社葬やお別れの会は会社が主催することが多く、ご遺族に弔意が伝わりにくいので、訃報を受けてからすぐに弔電を打つ方が良いと思います。
弔電の宛先と送り主
取引先の訃報などビジネスシーンでは、会社宛に弔電を打つのが良いと思います。
その理由を次のとおり列挙します。
最近は個人情報を気にされる人が多く、自宅に弔電を打つと、どうして住所を知っているの?と思われる
ご遺族に直接弔電が届くと、故人と発信元の会社との関連性がわからない場合がある
お別れの会などが後日執り行われる場合、会社に弔電を打つとそれを読んでいただけるかもしれない
会社での担当部署が、例えば総務とか秘書室とわかっている場合は、「○○株式会社 総務部気付 ○○(喪主の名前)様」、喪主名がわからないときは「○○株式会社 総務部気付 ○○(故人の名前)様ご遺族様」とするのが良いでしょう。
気付とは、郵便物を相手の住所に送るのでなく、その人と関係のある所、立ち寄る所にあてて送る時に、注意を願う意味で宛名に付ける語。
担当部署がわからない場合は、部署名を入れないで「○○株式会社気付 ○○(故人の名前)様ご遺族様」とすれば良いと思います。
送り主はあなたの会社の代表者名がよろしいかと思います。
弔電の文面
弔電の文面については こちらを参考にしていただきたいのですが、葬式後に弔電を打つということは、亡くなってから何日も経っていますので「突然の訃報に接し」とかは文面で使わないほうがいいと思います。
うっかりしていて訃報に気づかなかったりしたときは、文面にお詫びの一文を入れるのが良いと思います。
例えば次のような文面です。
●●様のご逝去に際し、お悔やみも申しあげず失礼いたしました。
遅ればせながら心からお悔やみ申し上げますとともに、謹んでご冥福をお祈りいたします。
挨拶状や喪中はがきで訃報を知った場合は、次のような文面はいかがでしょうか。
ご丁重なご挨拶状をいただきまして有難うございます。
●●様のご逝去を知りまして驚いております。
遅ればせながら謹んでご冥福をお祈り申しあげます。
お力落としのことと存じますが、何卒ご自愛くださいますようお願いいたします。
葬式の後で取引先の訃報を新聞の死亡欄で知ったときのお薦めの対応
取引先と弔意の伝え方を相談する
最近は家族葬など近親者だけで葬式を執り行い、そのあとで新聞の死亡欄に訃報が載るケースが増えてきました。
私が企業で秘書をしていたとき、そのように新聞記事で取引先の訃報を知った場合は、取引先の秘書や総務に電話をして、ご遺族への弔意の伝え方を相談していました。
新聞記事に、「連絡先は同社総務部」など明記されている場合もありますので、そちらに電話をしても良いと思います。
ご不幸のあった会社に突然電話をするのは失礼だと思われるかもしれませんが、なにもしなければ取引先に弔意が伝わりません。
また、新聞に訃報を掲載される企業は、問合せがあることを想定していますので、遠慮することはありません。
あなたが躊躇している間に、競合他社が取引先に弔事対応をしていて、取引先の心証をよくしているかもしれません。
只、新聞記事以外の情報で葬式後の取引先の訃報を知った場合は、弔意の伝え方の相談を取引先としない方が良いと思います。
何故相談をしない方が良いのかといいますと、新聞に記事を出す場合は、問い合わせが来ることを前提にしていますが、葬式後でも死亡記事を出さないご遺族の心境は、そっとしておいて欲しいということだと思います。
また、どうしても取引先に電話ができないという場合も、前述のように弔電を取引先に打つことをお薦めします。
葬式後の新聞に訃報記事を出された取引先への電話の例を、参考までにご紹介します。
もしもし、○○株式会社秘書の○○と申します。
今日の新聞で○○様がお亡くなりになられたことを知りました。
誠にご愁傷さまでございます。
弊社社長の○○が○○様にはひとかたならぬお世話をいただきましたので、弔意を表したいと申しております。
ご家族葬でお葬式はすでに執り行われたようですが、遅ればせながらどのように弔意をお伝えすれば良いのかお教えくださいますれば幸いです。
お取込みのところ、不躾(ぶしつけ)なご相談をいたしまして申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
この質問に対しての返答は、頑なにお悔やみを辞退される場合と、弔電なら良いですよと言われる場合のどちらかでしたが(他の返答はありませんでした)、次のように対応していました。
頑なにお悔やみを断られた場合の対応
この場合、先方から「このお電話をいただいたことを遺族に伝えます。そのことで貴社の社長様からの弔意が遺族に伝わると思います。」と言われることがよくありますので、その場合は「よろしくお願いいたします。」と申し上げます。
もしそのように言っていただけない場合は、「唐突に失礼なお電話をいたしまして申し訳ございません。ご遺族様にお疲れが出ませんようにお伝えくださいませ。」と申し上げるのも良いかと思います。
弔電は受取っていただける場合の対応
この場合の弔電の送り先は、取引先の秘書または総務宛に送ってくださいと言われることがほとんどでしたので、例えば総務部に送る場合の宛名は「○○株式会社 総務部気付 ○○様(故人の氏名)ご遺族様」とするのが良いでしょう。
弔電の文面については こちらを参考にしてください。
この場合も、亡くなってから何日も経っていますので「突然の訃報に接し」とかは文面で使わないでください。
弔電以外の対応
ほとんどないと思うのですが、中には香典や供花などを受けられる場合があるかもしれません(私は経験したことがありませんが)。
そのような場合は、次のことに気をつけられると良いと思います。
香典は、満中陰(四十九日または三十五日)法要の前であれば「御霊前」、満中陰法要が終わった後は「御仏前」と表書きした香典を贈るのが一般的です。
但し、浄土真宗の場合は亡くなってすぐに仏様になりますので、満中陰の前でも「御仏前」とします。
また神式では「御玉串料」「御霊前」、キリスト教では「御花料」とするのが一般的です。
お渡し方法やお届け方法は、取引先の人と相談をして、先方のご都合に合わせるようにするのが良いと思います。
取引先の訃報を葬式の後に知ったときのもう一押しの対応
あなたの会社とある程度親しくされている取引先の会長や社長などの経営者、または会長・社長を経験された人が亡くなり、訃報を葬式の後で知り、その直後に例えば営業担当者がその取引先に商談などで訪問する場合、どのような対応をすればよいのか悩むかもしれませんね。
そのようなときは、まず先方の取引先の窓口の人に「この度は○○相談役(元会長)のご逝去、誠にご愁傷さまでございます」と挨拶すると、取引先の人も悪い気がしないと思います。
そして、相手の会社の規模や取引関係を加味して、故人へのお供えの品を用意しても良いのではないでしょうか。
この対応でしたら会社がクッションとして入りますので、ご遺族もそんなに気を遣わなくても良いのではないでしょうか。
最後に
葬式の後に取引先の訃報を知ったときの対応をご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか。
この記事のポイントは次のとおりです。
葬式のあとで訃報を知った場合、取り急ぎ取引先に弔電を打って弔意を伝える。
葬式のあとで取引先の訃報を知った場合、弔電は取引先の会社に届くように打つ。
弔電の送り主は自社の代表者にする。
葬式後に取引先の訃報を知ったときも普通の弔電の文面で良いが、「突然の訃報に接し」とかは文面で使わないほうが良い。
うっかりしていて訃報に気づかなかったりしたときは、文面にお詫びの一文を入れるのが良い。
葬式後に取引先の訃報を新聞記事で知った場合は、取引先に電話をして弔意の伝え方を相談すると良い。
葬式後に取引先の訃報を知ってから最初に取引先を訪問する際にも、弔意を伝えると良い。
弔意を伝える気持ちがしっかりしておれば、タイミングを逃しても対応はできますので、柔軟に考えると良いと思います。