こんにちは、ユキです。
弔電(ちょうでん)は、故人へのお悔やみの気持ちを遺族に伝える大切な手段のひとつです。
しかし、「弔電を送るタイミングは?」「文面はどうすればいい?」など、いざという時に戸惑うことも多いかと思います。
私自身、企業で秘書として働いていた頃、多くの弔電を手配した経験があります。
その経験を基に、現在でも遺族に心を込めて弔電を送る方法を実践しています。
この記事では、実際の経験を踏まえながら、弔電の基本からマナー、文例までを詳しくご紹介します。
初めて弔電を送る方や、ビジネスの場で弔電を手配する必要がある方にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
弔電とは
弔電とは、お悔やみの気持ちを短い文面で遺族に伝えるための電報のことです。
一般的には喪主宛てに送られ、葬儀場で読み上げられることも多いです。
心を込めつつも簡潔で正しいマナーを守ることが重要です。
弔電の基本的なポイント
宛名は喪主名で記載する
送り先は葬儀会場が推奨される
文面は適切な敬語と表現を使う
弔電を送るタイミングと送り先
基本的なタイミングと送り先
訃報を受けたら、速やかに手配します。
弔電は、通夜が始まる前までに葬儀会場に届くように送るのが基本です。
なぜ葬儀場に送るのが良い?
1. 遺族が自宅にいる時間が限られるため。
2. 自宅で受け取ると整理が難しく、負担をかける恐れがあるため。
3. 葬儀場で読み上げられることを想定しているため。
家族葬の場合
最近では家族葬が増えていますが、基本的には家族葬でも弔電を送るべきです。
ただし、弔意を辞退されている場合もあるため、事前に確認することをおすすめします。
送り先は以下のどちらかになります。
葬儀の会場
会場が不明な場合は、故人に関連する会社など

弔電の宛名の書き方
基本は喪主名
弔電の宛名は故人ではなく喪主にします。
フルネームで記載することで混乱を防ぎます。
喪主の名前がわからない場合
以下のように記載します。
“慶弔大介(故人の名前)様ご遺族様”
喪主以外に送る場合
喪主ではない方(例: 取引先の担当者)に送る場合は、
会社から弔電を送る場合
会社関係では、代表者(社長や会長)の名前で送るのが一般的です。
記載例:
「〇〇株式会社 代表取締役社長 〇〇〇〇」
会社名や名前が難読の場合は、ふりがなを入れる配慮を。

弔電の文例と敬称
弔電の文例
弔電の文章はシンプルかつ心を込めたものが適切です。
〇〇様のご逝去の報に接し心からお悔やみ申し上げます。
ご遺族の皆様にはお悲しみのことと拝察申し上げ、謹んでご冥福をお祈りいたします。
〇〇様のご逝去の報に接し心からお悔やみ申し上げます。
ご遺族の皆様にはお悲しみのことと拝察申し上げ、在りし日のご遺徳を偲び謹んでご冥福をお祈りいたします。
〇〇様のところには、弔電を受け取る人から見た故人の関係を入れます。
例えば、お父さんが亡くなった場合はご尊父(そんぷ)様、お母さんが亡くなった場合はご母堂(ぼどう)様というようにです。
亡くなった人と、例えば自社の社長とがとても親しくしており、上記のようなありきたりの文章では弔意を伝えきれないと思う場合は、文例集の電文を使わず、具体的に故人との関わりのある事柄を入れて新たに電文を作ると良いでしょう。
例えば、「突然の訃報に接し驚いております」や「先日お会いした時はあんなにお元気でしたのに残念でなりません」などの文章を電文に入れたり、「楽しく一緒に食事をしていた時の笑顔が忘れられません」ど生前の思い出を電文に入れると、遺族に親近感を持っていただけると思います。
そして、打電した弔電の電文を記録に残すことをお薦めします。
電文を記録に残すと同じような状況で弔電を打つ場合、以前の電文に手を加えるだけで、簡単に電文を作ることができます。
弔電での故人に対する敬称
弔電で故人のことを申し上げる場合は、宛先の方から見た続柄の敬称を使います。
喪主(宛先の方)から見た故人の敬称は次の表のとおりです。
父 | ご尊父様・お父様・お父上様 |
---|---|
母 | ご母堂様・お母様・お母上様 |
妻の父 | ご岳父様・ご外父様・お父様・父上様 |
妻の母 | ご岳母様・ご外母様・お母様・母上様 |
夫の父 | お舅様・お父上様・お父様 |
夫の母 | お姑様・お母上様・お母様 |
夫 | ご主人様・旦那様 |
妻 | ご令室様・奥様・奥方様 |
息子 | ご令息様・ご子息様 |
娘 | ご令嬢様・お嬢様・ご息女様 |
祖父 | ご祖父様・おじい様・祖父君 |
祖母 | ご祖母様・おばあ様・祖母君 |
兄 | 兄上様・ご令兄様・お兄様 |
姉 | 姉上様・ご令姉様・お姉様 |
弟 | ご弟様・ご令弟様・弟様 |
妹 | お妹様・ご令妹様・妹様 |
ある取引先の会長が亡くなったときのことです。
喪主はその会社の社長なのですが、その社長は婿養子で亡くなった会長の義理の息子になります。
その場合の喪主宛の弔電で故人の敬称は、血縁上は義理のお父さんなので「ご岳父」にするのか、戸籍上は父なので「ご尊父」にするのかで悩みました。
そこで親しくしている葬儀社の人に相談しましたところ、「ご尊父様」にされるのが良いと思いますとの回答でした。
弔電マナー
避けるべき言葉
人の死が重なるという意味合いを避ける
・重ね重ね、たびたび、しばしば、また、再び、再三
直接的な表現を避ける
・死去、死亡(「ご逝去」と言い換える)
・生きる(「ご生前」と言い換える)
宗教ごとの注意点
仏式
”苦しむ”、”迷う”、”浮かばれない”などの表現は避ける。
仏教では、人が死ぬと、霊魂が冥途をさまよいながら輪廻転生を繰り返し、悟りを開くと、極楽浄土で成仏する、という考え方をしますので、死者の霊魂が冥途をさまよっていることを連想させる表現は避けた方が良いそうです。
神式
”冥福”や仏教用語の”供養”、”成仏”、”他界”を避ける
人が死ぬと神になる神道と、死者が冥途などの他の世界へ旅立つとされている仏教とは、死生観に大きな隔たりがありますので、神道では仏式の言葉は使用しないほうが良いようです。
神式への弔電は、「御霊の安らかな眠りをお祈り致します。」「御霊のご平安をお祈り申し上げます。」などの弔電が良いようです。
キリスト教
”供養”は避ける
キリスト教では、死を「終焉」ではなく「永遠の命の始まり」と考え、神によって天に召される「死」は、祝福すべきこととされており、死後の世界観を前向きに表した内容が適切ですので、「○○様の安らかな眠りをお祈り致します。」や「○○様の天国での平安をお祈り致します。」などが良いでしょう。
弔電の申し込み先
現在は、多くの電報サービスが利用可能です。
インターネットで簡単に手配できるため、急な場合でも安心です。
電報サービスの例としていくつかをご紹介しますので、参考にしてください。
それぞれの電報サービスのサイトをクリックしますと、弔電の文例集が見られますし、電報の依頼もできます。


筆者の失敗談
これは私が企業の秘書をしていたときに、弔電の宛名を間違って故人の名前にしたときのお話です。
私は弔電を打ったあとで、亡くなった人の名前、逝去日、通夜・葬儀の日程、喪主、弔電の文面などをデータベースに記録を残していました。
私が勤めていた会社では電報サービス会社と契約をしていたのですが、その電報サービス会社に注文すると、すぐに発注確認のメールがきます。
メールできたその内容を、コピーして記録のデータベースにペーストしていました。
ある時。電報サービス会社からの発注確認メールを見ますとなんだか違和感があったので、よ~く見てみると、喪主ではなく亡くなった人宛に弔電を打っていたのです。
慌てて電報サービス会社に電話をして、宛先名を変更していただき事なきを得ました。
このとき、契約している電報サービス会社のように確認メールがきていなければ、また、データベースにすぐに入力していなければ、とんだ失敗をしていたことになっていました。
ですから、弔電を打ち終わった後で、データベースに入力するなどをすれば、記録に残るだけではなく、弔電の発注間違いもチェックもできることになります。
まとめ
弔電は、形式だけでなく、心を込めることが大切です。
この記事を参考にしていただき、適切なタイミングと内容でお悔やみを伝えられるよう願っています。
尚、より詳しい情報が必要な方は、以下の関連記事もご覧ください。