こんにちはユキです。
秘書や総務で慶弔対応の担当をしているあなたに取引先から訃報の連絡がありました。
あなたはそのことをまず上司に伝えて、どのような対応をするのかを相談し、弔電を打ったり、香典の用意をしたり、忙しく動き回ることになると思います。
忙しいのはわかるのですが、そこで大事なことを忘れていませんか?
それは不幸のあった取引先と関係のある社内の部署に連絡することです。
この記事では、私が企業の秘書をしていました際に取引先から訃報連絡があったときに、弔事対応をすると同時に、社内の関係者にどのように連絡をしていたのかを紹介させていただきます。
縁起でもないことを申し上げてすみませんが、取引先からの訃報連絡だけではなく、あなたのご家族に不幸があった際に、会社に訃報連絡をするときの参考にもなりますので、お読みいただければ幸いです。
取引先の訃報連絡を受けたら社内関係者にメールで伝える
私が企業の秘書をしていたとき、取引先から訃報連絡が入った際に、上司である会長や社長に訃報の報告をしていましたが、その取引先と関係のある部署にも訃報の連絡をしていました。
連絡はメールで行っていましたが、メールで連絡をしていた理由は次のとおりです。
しっかりと確認して送れば、電話のように聞き間違いなどによる間違った伝達が防げる。
多数の人に迅速に伝達できる。
送った人から別の人にも転送により迅速に伝達できる。
参考資料が添付できる。
メールの送り先をbccにせずtoにしておれば、もし発信が洩れている部署があった場合に、送り先を見て気付いてくれることがある。
連絡先は、例えば訃報連絡があった取引先から原材料を仕入れている製造部門、取引先が販売店なら営業部門というように、訃報連絡があった取引先と常日頃コンタクトをとっている社内の部署です。

取引先の訃報を社内関係者に伝えるメールの文例
取引先の訃報を社内の関係部署に連絡する際の、代表的なメールの文例を参考までにご紹介します。(社名などの固有名詞、日付などは全て架空のものです)
件名:慶弔株式会社 武呂具会長ご逝去の件
主題の件につき、下記の通りご連絡いたします。
1.亡くなった方:慶弔株式会社 代表取締役会長 武呂具 太郎様(享年83歳)
2.ご逝去日:2020年12月2日(水) 7時20分
3.死因:心不全
4.通夜・葬儀の日程と場所
・通夜:2020年12月3日(木)18時~
○○市△△町×-××-××
●●●会館
電話 ○○〇〇-△△-××××
・葬儀:2020年12月4日(金)13時~
場所は通夜と同じ
5.葬式の形態・宗派:仏式・浄土真宗
6.喪主:武呂具 花子様(妻)
7.備考:
・香典は固くご辞退
・故人は亡くなられる直前までお元気だった
8.会社での対応:
・社長名での弔電
・社長名での供花1対
・○○取締役が参列
・香典はしない
以上
取引先の訃報を社内関係者に伝えるメールに記載すべきこと
取引先からの訃報連絡を基にして、社内の関係部署へ次の項目を連絡します。
取引先の訃報を社内の関係部署に連絡する際には、迅速さと簡潔さが大事ですので、これらの項目を入れたフォーマットを作っておき、チェック表として活用すると便利です。
①亡くなった方の会社名・役職・氏名・年齢
※会社名・役職は略さず正式な表記にします。
この情報を参考にして弔電を打つ部署があるかもしれないからです。
※訃報の際の年齢は「享年(きょうねん)」という言い方と、「行年(ぎょうねん)」という言い方がありますが、享年は数え年、行年は満年齢と覚えておくと便利です。
②亡くなった年月日
※曜日も入れるようにします。
※わかれば時刻も入れます。
③死因
※亡くなる原因となった病名などです。
④通夜・葬儀の日程と場所
※日程には必ず曜日も入れています。
そうすることにより、転記ミスが防げたり、読み手が平日か休日かを瞬時に判断できるからです。
※住所と電話番号を記載しています。
※会館などであれば、その施設のHPのURLを記載して、リンクできるようにします。
⑤葬式の形態・宗派
※仏教・キリスト教・神道などです。
それによって香典の表書きが変わります。
※仏教の場合は宗派(〇〇宗)も記載しています。
⑥喪主の名前と故人との関係(続柄)
※故人との関係(続柄)は必ず記載するようにします。
弔電は喪主宛に打ちますが、故人との関係によって文章が異なるからです。
※喪主の他に葬儀委員長をたてる場合がありますが、そのようなときは葬儀委員長の肩書・氏名も記載します。
⑦備考
※先方の意向などを記載します。
例えば、「香典・供花は固くご辞退」などです。
※例えば、「故人は入退院を繰り返していた」「亡くなる直前までお元気だった」などの亡くなる直前の状況などを記載すれば、弔問時の挨拶や弔電文作成の参考になります。
⑧会社での対応
※社内連絡をする時点で決まっている我が社の対応を記載します。
※内容は、香典を誰の名前でいくらする、弔電や供花を誰の名前でする、誰が参列する、などです。
以上の項目の中で、取引先からの連絡で抜けているところは、失礼のない範囲で先方に確認していました。
また、取引先から送ってこられた訃報案内を、メールに添付することもあります。

取引先の訃報を社内関係者に伝えるときの注意点
取引先の訃報に限らず、訃報連絡は迅速で正確に行うことが大切です。
それを念頭に置いて次のことに注意をして、取引先の訃報を社内の関係部署に連絡します。
葬式の詳細が決まっていなくても、決まっている範囲で取敢えず関係部署に連絡し、詳細が決まってから改めて連絡する。
※葬式の詳細などがすぐに取引先から来ない場合がありますが、それを待ってから連絡をしたのでは、対応が後手に回ることもありますので、詳細は連絡が来てから改めてすることにし、取敢えず取引先の訃報を関係部署に伝えることが大切です。
件名に取引先の訃報であることや、取引先のどなたが亡くなったのかを明記する。
※件名を「お知らせ」など抽象的なものにすると、すぐにメールを開いてもらえないかもしれませんが、取引先の訃報であることが件名でわかれば、読み手は緊急度が高いと判断し、すぐにメールを開いてくれます。
冒頭の挨拶は省き、簡潔なメールにする。
※社内メールでも「お世話になっています」などの挨拶をいれる場合がありますが、訃報メールは緊急度が高いので余計なものを省き、文章も要点だけわかりやすく記載します。
誤記に注意をする。
※取引先の訃報連絡は迅速に行うのですが、あせって間違った情報を流す可能性がありますので、メールを送信する前に一度、取引先から来た訃報連絡とメールの内容が違っていないか確認することをお勧めします。
取引先の訃報を社内関係者に連絡するメリット
取引先の訃報を社内で情報共有すると次のようなメリットがあります。
秘書で弔電などの対応をしていることを関係部署が知らないで、重複して対応するのを避けることができる。
対応先の取引先から関係部署の社員にお礼を言われたときに、その社員が取引先の不幸を知らないと恥をかくが、情報共有ができておれば、対応先の取引先にお悔やみの言葉などを言えて良好なビジネス関係が保てる。
会社での対応を見て、関係部署での独自の対応を考えられる。

最後に
この記事では、取引先からの訃報を社内の関係部署に情報共有するためのメールについてご紹介しましたが、あなたのご身内に不幸があった際に会社に連絡するときや、あなたの会社の方に不幸があった際に取引先に連絡するときなどにも参考にしていただける思います。
この記事のポイントは次のとおりです。
取引先から訃報が入った際に社内の関係部署への連絡方法は、多数の人に早く連絡できるなどのメリットがあるメールを使用する。
①亡くなった方の会社名・役職・氏名・年齢
②亡くなった年月日
③死因
④通夜・葬儀の日程と場所
⑤葬式の形態・宗派
⑥喪主の名前と故人との関係(続柄)
⑦備考(先方の意向など)
⑧会社での対応
取引先の訃報に限らず、訃報連絡は迅速で正確に行うことが大切。
取引先の訃報を社内の関係部署と情報共有することにより、対応の重複や漏れなどを防ぐことができる。
訃報の情報共有によって、あなたの会社の弔事対応がスムーズに行われることをお祈りします。
尚、あなたのご家族にご不幸があった場合の会社への訃報連絡については、次の記事が役立ちますので、参考にしてください。
訃報の連絡は会社にどう伝える?訃報の内容や具体的な文例を紹介
出典:ライフフォワード株式会社「みんなが選んだ終活」より