こんにちはユキです。
あなたは「お別れの会」という言葉を聞いたことがありますか?
葬式には様々な形式がありますが、その中で「お別れの会」という形式が最近増えてきました。
秘書や総務で慶弔に携わっておられる皆さんも、企業の経営者や元経営者が亡くなった際に、その会社主催のお別れの会に関わったことがあるかもしれませんね。
これから関わるかもしれない人は、お別れの会ってどんな会か、どう対応すればよいのか、不安に思っているかもしれませんが、この記事ではホテルで開催される会社主催のお別れの会を中心に、マナーなどをご紹介します。
参考にしていただけると幸いです。
お別れの会とは
最近では遺族だけで葬式を執り行う家族葬で故人を見送り、そのあとで亡くなったことを公表するというケースが増えてきました。
その時に亡くなったことを知った故人の友人や知人が、故人とお別れの場を設けることがあります。
また、企業の経営者や元経営者が亡くなったときに、会社が葬式の何日かあとで改めてお別れの場を設けることもあります。
それが「お別れの会」です。
お別れの会にははっきりとした定義はありませんが、一般的な葬式が宗教色が強いのに対し、お別れの会は宗教的な儀礼による制約がありませんので、主催者が進行や演出を自由に決めることができます。
私は企業の経営者や元経営者のお別れの会に、幾度となく参列したことがありますが、ほとんどがホテルでの開催でした。
以前は弔事に関係する催しを行うのを、ホテルが嫌がっていたように思います。
結婚式会場の近くで、お経が聞こえたり、お焼香の臭いがしたりすると不快ですよね。
でも、宗教色を出さないので、お経の代わりにBGMを流したり、焼香の代わりに献花をするという形式にして、ホテルでお別れの会が催されるようになりました。
私が初めてホテルでの企業経営者のお別れの会に参列したのは2000年頃ですが、その少し前からホテルでのお別れの会が、少しずつ行われるようになったと思います。
他にも故人の友人が主催する個人的なお別れの会や、芸能人などの著名な人のお別れの会など、様々なお別れの会がありますが、この記事ではホテルで執り行われる企業の経営者や元経営者のお別れの会に絞ってご紹介させていただきます。

お別れの会の一般的な流れ
お別れの会には葬式のようなルール的なものはなく、主催者がそれぞれで演出されますので、お別れの会の流れはこうですとご紹介することが難しいのですが、ご参考まであるサイトにでていましたお別れの会の一般的な流れをご紹介します。
1. 遺族・参列者入場
2. 開会の辞
3. 黙祷
4. 故人の略歴紹介
5. 追悼の言葉・弔電/友人代表の弔事
6. 謝辞…遺族代表または実行委員長が行います。
7. 献花
8. 会食
9. 閉会
このような流れでのお別れの会に参列したことがありますが、1~6のセレモニー的な部分は、特定の招待者だけが参列し、一般の人は7の献花から参列するケースがほとんどでした。
私が参列した企業主催のホテルでのお別れの会の流れで、最も多かったのは次のようなものでした。
・会場の入り口で受付をします
・会場内に入り祭壇のご遺影に向かって花を手向けます
・献花の会場から隣室の会食会場に移動します
・会食会場の入り口で、ご遺族代表・実行委員長・会社代表などが立礼をします
・このときにご遺族への弔意を伝えることができます
・立食での食事が用意されています
・会食会場には、故人の略歴・在りし日の写真・思い出の品などが展示されて、故人を偲びます
・会社の役員や幹部がホスト役になり、参列者の接待をします
・会場出口で会社の役員が立礼で参列者をお見送りします
この形式のお別れの会は、主催者が決めた時間内であれば、参列者が都合の良い時刻に行き、都合の良い時刻に退席できるというケースがほとんどですので、忙しい人も参列しやすくなっています。
また主催者にとっても、席を用意する必要がありませんし、参列者も留まることなく、流れに沿って移動しますので、会場から人が溢れることがなく、スムーズに会を進行できます。

お別れの会に参列するときのマナー
服装について
お別れの会の案内状が送られてくる場合、「平服でお越しください」と書かれているケースが多くありますし、何も書かれていなくてもホテルで執り行われるお別れの会には、喪服ではなく平服で参列されることをお薦めします。
お日柄が良い日にはホテルでは結婚式がよく行われていますので、そのような場に喪服の人が大勢出入りしていると、お互い気まずくなると思います。
ただし、カジュアル過ぎるものや華美なものは避けて、控えめな色のスーツやワンピースを選ぶと良いでしょう。

受付について
お別れの会の会場入り口の前で受付が設営されているケースが多いのですが、まずこちらで名刺を渡します(案内状が送られている場合は、案内状の封筒を渡すこともあります)。
秘書や総務の人は、上司の代理でお別れの会に参列することが多いと思います。
その場合は、あなたの名刺の右上に「代」の字を書き、上司の名刺の右上に「弔」の字を書いてこの2枚を渡すようにし、「本日は○○(上司の肩書と名前)がどうしても参列することが叶わず誠に申し訳ございません」と一言添えましょう。
献花について
お別れの会での献花の花は白いカーネーションが多いのですが、他に白いバラや白い菊の場合もあります。
献花の仕方は次のとおりです。
スタッフの案内に従い献花台の方へ進む
献花台のそばでスタッフから花を両手で受け取る
茎が左側、花びらが右側に来るように花を横にして持ち、右手で花を受け、左手は茎の上に添える
祭壇の前に立ったら遺影に一礼し、花を時計回りの方向で回し、根元が祭壇のほうに向くように花を捧げる
遺影に向かって再び一礼し、黙とうをする
黙とうが終わったら、スタッフの案内に従い会食会場に移動する
ホテルでのお別れの会では、献花の際にスタッフの人が案内してくれますし、もし献花の仕方を忘れても、前の人と同じようにすれば良いので、気楽にお考えください。

香典・供物・供花について
会社が主催するお別れの会のほとんどが、案内状や当日の受付のところに「ご香典ご供花ご供物の儀は固くご辞退申し上げます」と書かれています。
私が参列しました会社主催のお別れの会は、全てこの文言がありました。
この文言があった場合は、素直に従った方が良いと思います。
このような場合、香典・供物・供花を持参しても100%受取っていただけないでしょう。
弔電について
お別れの会の開催を知るまでご逝去を知らなかった場合、お別れの会に向けて弔電を打てば良いとお考えになる方が多いと思いますが、弔電はご逝去を知ったらすぐに打つのが良いと思います。
弔意はできるだけ早く伝えるのが良いと思いますが、お別れの会の案内が来てから開催日まで期間がありますので、弔意を伝えるのが遅くなります。
詳しくは こちらをご覧ください。
最後に
ホテルで執り行われる会社主催のお別れの会について、流れやマナーをご紹介させていただきましたが、参考になりましたでしょうか。
この記事でのポイントは次のとおりです。
お別れの会とは葬式の何日かあとで、友人や知人、会社などが主催して設けた故人とのお別れの場。
お別れの会には葬式のようなルール的なものはなく、主催者がそれぞれで演出するので、様々なパターンがある。
ホテルでのお別れの会での服装は、喪服ではなく地味な平服がお薦め。
上司の代理でお別れの会に参列する場合は、自分の名刺の右上に「代」の字を書き、上司の名刺の右上に「弔」の字を書いてこの2枚を受付で渡す。
ホテルでのお別れの会での献花の際は、スタッフの案内に従い、前の人の動きに合わせれば良い。
会社が主催するお別れの会では、香典・供物・供花を辞退するケースがほとんどで、辞退される場合は持参しても受取っていただけない可能性が高い。
弔電はお別れの会に向けて打つのではなく、訃報を知った時点で打つのがお薦め。