こんにちはユキです。
最近の葬式で「家族葬」という形態で執り行われることが多くなってきました。
あなたも聞かれたことがあるかもしれませんが、家族葬ってどんな葬式なのでしょうか。
家族葬では参列・香典・供花・弔電などのお悔やみを全て辞退されることが多く、家族葬がどのような葬式なのかをご存じの方でも、そのような状況でどのようにして弔意を伝えたら良いのか困ることがあるのではないでしょうか。
特にビジネスシーンで、取引先の経営者や、経営者のご家族が亡くなられたときに、家族葬で葬式を執り行われ、お悔やみを辞退されたときに、手をこまねいていてもいいのかどうか、とても悩みますよね。
私が企業の秘書をしていたときも、このような事態に遭遇したときはとても困りましたが、私なりに打開策を見出し、取引先に弔意を伝えるようにしていました。
この記事では家族葬とはどのような葬式の形態なのか、家族葬で葬式を執り行われる取引先へ、どのように弔意を伝えれば良いのか、私の経験を基にご紹介させていただきます。
参考にしていただければ幸いです。
家族葬とは
家族葬とは親しい人を中心に故人をお見送りする葬式の総称で、家族だけでなく、友人などの親しい人も含めて少人数で執り行う葬式のことです。
家族葬での参列者の範囲など、明確な定義はありませんが、基本的に必要なことや式の流れは一般的な葬式とほぼ同じです。
参列者が少ないので、ゆっくり故人を偲んだり、接待の手間がかからないので、最近では家族葬を選ぶ人が増えています。
新聞の死亡欄に「告別式は近親者で行った」とか「葬儀は近親者で営んだ」と書かれていることがありますが、これは家族葬で葬式を執り行われたと思っていいでしょう。

家族葬へのお悔やみは控えた方がいい?
家族葬の場合、「参列、香典、供花などの供物、弔電などは固くご辞退申し上げます」などの案内をよく見受けられます。
取引先の経営者や、経営者のご家族に不幸があり、家族葬で葬式を執り行われる場合、このような案内があったときに、お世話になっている取引先なのでお悔やみをした方がいいのか、案内のとおりお悔やみをしない方がいいのか迷いますよね。
基本的には、「参列、香典、供花などの供物、弔電などは固くご辞退申し上げます」などの案内があった場合は、お悔やみはなにもしない方がいいと思います。
家族葬で葬式を執り行い、参列・香典・お供物・弔電などを辞退される理由は、これらのお悔やみに対して、御礼の手間を省くということも、本音の部分であると思います。
また、家族葬で参列・香典・お供物・弔電などを辞退されるという案内がなくても、お悔やみは慎重にしたほうが良いと思います。
家族葬で葬式を執り行う根底には、できるだけ手間をかけたくないという、ご遺族の気持ちがあるのではないかと想像しますので、参列や香典などをしてしまうとかえってご迷惑になる可能性があります。
ですから、参列・香典・お供物・弔電などを辞退されていなくても、家族葬で葬式を執り行われる取引先に対しては、通常のように参列をしたり、香典やお供物をすぐに届けない方が良いと思います。

家族葬へのお悔やみの仕方
取引先の経営者や経営者のご家族が亡くなり、家族葬で「参列、香典、供花などの供物、弔電などは固くご辞退申し上げます」などの案内があったときに、お悔やみはしないほうが良いと申し上げましたが、大事な取引先に対してそのままで済ますのも、今後の取引に影響が出るのではないかと心配になりますよね。
また、家族葬の場合、通常のようにすぐにお悔やみをしないで、慎重に対応した方が良いと申し上げましたが、ではどうすれば良いのでしょうか。
私が秘書をしていたときにこのようなケースに遭遇した場合、私は家族葬で葬式を執り行われる取引先の秘書や総務に電話をして、弔意の表し方を相談していました。(すでに家族葬で葬式を済まされた取引先の場合も同様です)
相手の会社の秘書や総務の人をよく知っているのであれば電話をしやすいけど、知らない人に電話でこのような不躾(ぶしつけ)な質問をするのはイヤだという声が聞こえてきそうですが、人の目を気にしていては前に進みません。
私もこのような電話をするのはイヤでしたが、勇気を振り絞って電話をしますと、迷惑そうな対応をされたことは一度もなく、全て親切に答えてくださいました。
ですから、あなたも考えすぎないで気楽に電話をしてください。
では、実際に私がどのように取引先の秘書や総務の人に電話をしていたかをご紹介します。
家族葬で「参列、香典、供花などの供物、弔電などは固くご辞退申し上げます」の案内があった場合
もしもし、○○株式会社秘書の○○と申します。
この度は○○様がお亡くなりになられ、誠にご愁傷さまでございます。
ご案内では、全てのお悔やみをご辞退されると伺っておりますが、弊社社長の○○が○○様にはひとかたならぬお世話をいただきましたので、どうしても弔意を表したいと申しておりまして、なにか良い方法はございませんでしょうか。
お取込みのところ、不躾(ぶしつけ)なご相談をいたしまして申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
この質問に対しての返答は、頑なにお悔やみを辞退される場合と、弔電なら良いですよと言われる場合のどちらかでしたが(他の返答はありませんでした)、次のように対応していました。
頑なにご辞退され、弔電さえもお断りされた場合の対応
この場合、先方から「このお電話をいただいたことをご遺族に伝えます。そのことで貴社の社長様からの弔意がご遺族に伝わると思います。」と言われることがよくありますので、その場合は「よろしくお願いいたします。」と申し上げます。
もしそのように言っていただけない場合は、「唐突に失礼なお電話をいたしまして申し訳ございません。ご遺族様にお疲れが出ませんようにお伝えくださいませ。」と申し上げるのも良いかと思います。
弔電は受取っていただける場合の対応
この場合の弔電の送り先は、取引先の秘書または総務宛に送ってくださいと言われることがほとんどでしたので、例えば総務部に送る場合の宛名は「○○株式会社 総務部気付 ○○様(故人の氏名)ご遺族様」とするのが良いでしょう。
家族葬でお悔やみ辞退の案内がない場合
もしもし、○○株式会社秘書の○○と申します。
この度は○○様がお亡くなりになられ、誠にご愁傷さまでございます。
弊社社長の○○が○○様にはひとかたならぬお世話をいただきましたので、弔意を表したいと申しております。
家族葬で葬式が執り行われると伺ったので、あまり出過ぎたお悔やみをいたしまして、かえってご遺族のご迷惑なってもいけませんので、どのように弔意をお伝えすれば良いのかお教えくださいますれば幸いです。
お取込みのところ、不躾(ぶしつけ)なご相談をいたしまして申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
この場合のケースで体験したのは次の返答です。
1.供花はお受けします。
2.弔電はお受けします。
それぞれの返答はご遺族のご意向ですので、言われたとおりに対応していました。

最後に
葬式の形態として増えてきている家族葬への弔意の表し方をご紹介しましたが、参考になりましたでしょうか。
この記事のポイントは次のとおりです。
・家族葬とは親しい人を中心に少人数で故人をお見送りする葬式のこと。
・「参列、香典、供花などの供物、弔電などは固くご辞退申し上げます」などの案内があった場合は、基本的にはお悔やみはなにもしない方がいいと思う。
・お悔やみの辞退の案内がなくても、家族葬への弔意対応は慎重にしたほうが良い。
・取引先の家族葬の対応に困ったり、取引先に弔意を伝えたいときは、先方の会社の秘書や総務などに相談するのが良い。
お悔やみを全てご辞退されたからといって、手をこまねいていていないで、何らかの方法で取引先に対して弔意を表すことにより、競合他社より優位に立てます。
このような状況であなたの慶弔対応力が試されますので、是非チャレンジしてください。