こんにちはユキです。
あなたの取引先の会社が何かの賞をもらったり、取引先の経営者が褒章や勲章をもらったりしたときに、どのようなお祝いの対応をしていますか?
もし、取引先の会社の受賞や、取引先の経営者の受章のお祝いをどのようにすれば良いのか、悩んでおられるのでしたらこの記事を参考にしてください。
この記事では「受賞」と「受章」の違いや、取引先の受賞や受章の情報の掴み方、受賞や受章のお祝いのタイミングや、お祝いの贈り方など、私が企業の秘書をしていた経験を基にご紹介させていただきます。
この記事をお読みいただき、あなたの悩みを少しでも解消していただければ嬉しく思います。
受賞祝いとは?受章祝いとは?
受賞と受章の違い
取引先のお祝いをするときに、同じ「じゅしょう」でも、受賞なのか受章なのかをはっきりしておく必要があります。
受賞は賞を受けることで、受章は章を受けることなのですが、「賞」と「章」はどう違うのでしょうか。
賞と章の違いは次のとおりです。
「賞」とは功績をあげた者に与える褒美、またはそのしるしの金品のことで、ノーベル賞やアカデミー賞などがあります。
「章」はしるしや記章のことで、勲章や褒章があります。
取引先のお祝いの対象とする受賞・受章の例
会社の関係で受賞・受章にはどのようなものがあるのでしょうか。
例としていくつかを列挙します。
受賞の例
・デミング賞
TQM(総合品質管理)の進歩に功績のあった民間の団体および個人に授与されている経営学の賞で、日本科学技術連盟により運営されるデミング賞委員会が選考を行っています。
・グッドデザイン賞
デザインが優れた物事に贈られる賞で、工業製品からビジネスモデルやイベント活動など幅広い領域を対象とし、公益財団法人日本デザイン振興会の主催で選考しています。
・広告賞
新聞などのメディアでの優れた広告に与える賞で、新聞各社が出しています。
受章の例
・褒章
ある分野において、立派な行いや功績のあった人を表彰するために国から与えられる記章で、紅綬褒章(こうじゅほうしょう)<人命救助>・緑綬褒章(りょくじゅほうしょう)<徳行卓越>・藍綬褒章(らんじゅほうしょう)<公益・教育など>・紺綬褒章(こんじゅほうしょう)<公益のための私財寄付>・黄綬褒章(おうじゅほうしょう)<業務精励>・紫綬褒章(しじゅほうしょう)<文化功労>の6種が定められています。
褒章を与えられるのは春と秋の年2回で、受章者は春は原則4月28日、秋は原則11月2日に発表されます。
・勲章
国家や社会に功労のあった人が国から勲等を授けられ、勲章を与えられることで、旭日章・瑞宝章があります。
旭日章(きょくじつしょう)は顕著な功績を上げた人、瑞宝章(ずいほうしょう)は公共的業務に長年従事してきた人が対象となり、それぞれ、大綬章・重光章・中綬章・小綬章・双光章・単光章と6段階に区分されています。
特に、功績が大きいと認められるときには、最高位である大勲位菊花章頸飾(だいくんいきっかしょうけいしょく)などが授けられます。
勲章を与えられるのも褒章と同じく春と秋の年2回で、受章者は春は原則4月29日、秋は原則11月3日に発表されます。
尚、勲章を受けることを受章の他に叙勲(じょくん)とも言います。

取引先の受賞・受章の情報を積極的に掴む
取引先が受賞や受章をしても、先方から「このような賞(章)を受けましたよ」などと言ってこられないと思います。
ですので取引先の受賞や受章の情報は、積極的に掴むように心がけ、受賞・受章の情報はほとんどの場合、新聞から得ることができます。
特に褒章や勲章を受章する人の新聞での発表日は決まっていますので、褒章の発表日の4月28日と11月2日、叙勲の発表日の4月29日と11月3日は、新聞を視るようにしましょう。
デミング賞やグッドデザイン賞なども新聞で発表されますので、取引先が受賞しそうな賞の記事も注意して視るようにしましょう。
只、皆さんの中には「新聞ばかり視ていられないよ」という人もいるかもしれませんね。
そのような人は社内で取引先の情報が入ってきやすい人、例えば営業の窓口の人などに、情報提供をお願いしておくのが良いと思います。
取引先の受賞・受章のお祝いを適切なタイミングで対応する
取引先の受賞・受章に取り急ぎ祝電を打つ
新聞などで取引先の受賞や受章がわかった時点で、取り急ぎ祝電を打つのが良いでしょう。
急いで祝電を打つのは、取引先へのアピールを狙うのではなく、競合他社から遅れをとらないためです。
他社の秘書や総務の人達は、新聞を毎日視て積極的に情報を掴んでいるかもしれません。
ですから、競合他社も当然、取引先が受賞や受章をした情報は早くキャッチし、受賞や受章のお祝い電報をすぐに打っているはずです。
競合他社の行動から遅れをとらないことが大切です。
取引先の受賞・受章にお祝いを贈るのはひと呼吸おいてから
取引先の受賞・受章のお祝いは、発表があってからひと呼吸おいてからが良いでしょう。
発表直後は多くの人からのお祝いが届くことが予想されますので、お祝いの波が引いて贈り先が少し落ち着いてからお祝いを贈るほうが良いと思います。
また、叙勲などの場合は祝賀会を開催されることもあり、叙勲の祝賀会に招待されるかどうかで対応が異なりますので、少し様子をみたほうが良いかもしれません。
ただ、贈り先に届けるためのアポイントメントは、早くとったほうが良いと思います。
取引先にお届けする日程を早く相談することによって、取引先への祝意が早く伝わるからです。

取引先の受賞・受章への祝電
取引先の受賞への祝電の文例と送り方
受賞への祝電の文面は、今回貴社がどういう賞を、何故受賞したのか、受賞した賞がどんなに素晴らしい賞かを知っていますよ、ということをアピールするようなものが良いでしょう。
例えば、広告賞を受賞した取引先への祝電は、次のような文面になります。
この度は〇〇新聞社広告大賞を受賞されまして誠におめでとうございます。
日本の最も権威のある広告賞を、環境問題をユニークな視点で捉えた作品で受賞されましたことに、心から敬意を表します。
今後とも他社では真似のできない斬新な広告を発信されますことをお祈り申し上げます。
祝電の宛先は取引先の代表者名で、送り主は自社の会長や社長など、会社の代表者にします。
取引先の受章への祝電の文例と送り方
受章への祝電の文面は、その人の功績にスポットライトを当てるような内容にしましょう。
例えば叙勲をされた取引先の経営者への祝電の文面は次のような感じです。
この度の旭日小綬章のご受章、誠におめでとうございます。
生活の利便性を向上させる商品を供給する〇〇株式会社の経営者として社会に貢献され、また〇〇商工会議所の会頭として地域経済の発展に尽力されました〇〇様のご功績に敬意を表しますとともに、健康に留意され今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。
受章の祝電は基本的には自宅に届くのが良いと思います。
なぜなら褒章や叙勲は個人が貰うからです。
ただ最近は個人情報の扱いに気をつけなければいけませんので、なぜ自宅の住所を知っているのだろうと思われる人には、会社の住所宛に打電するほうが良いでしょう。
その場合は会社名や役職もきっちり入れます。
困るのは叙勲の場合、受章対象が原則70歳以上の人になりますので、会社をリタイアされて自宅住所がわからない人に叙勲の祝電を打つことです。
その場合は、相手の方が一番関わりの深かった会社宛に祝電を送るのが良いでしょう。
その際、相談役や顧問などの肩書がわかればそれを入れますが、不明な場合はお名前だけにしても良いと思います。

電報会社の文例集から電文を選ぶ
電文は送る側の気持ちを入れて、オリジナリティーのある文面にした方がいいのですが、難しいのであれば、電報会社のサイトの文例集から選ぶことができます。
次の電報会社のリンクを用いて受賞・受章の文例集をご覧いただき、参考にしてください。
↓↓↓↓↓
VERY CARD
For-Denpo
電報ドットネット
電文の作り方については下記の参考記事をご覧ください。
取引先の受賞・受章祝いの贈り物
取引先の受賞・受章のお祝いの金額
取引先の受賞・受章へのお祝いの金額は、賞や章の内容によって決めますが、例えば叙勲のお祝いの場合は、3万円~5万円が多いようです。
褒章や叙勲の祝賀会に会社の誰かが出席する場合は、5万円~10万円の金額が良いのではないでしょうか。
受賞・受章のお祝いも含めた慶弔対応ルールを作って、お祝いのガイドラインを決めておくと便利です。
詳しくは こちらの記事をご覧いただき、「慶弔対応ルールの作成」の中の「受章」の欄を参考にしてください。
取引先への受賞・受章祝いの贈りもの
取引先の経営者の叙勲された場合、お祝いは紅白のワインがお薦めです。
何故紅白のワインがお薦めかと言いますと、装飾品など後に残るものは気に入っていただければいいのですが、気に入っていただけない場合は処理に困られると思うからです。
ワインであれば気に入っていただければご本人に飲んでいただけますし、好みでなければ、来客時に使っていただけると思うからです。
お祝いのお届け方法は会社のトップや役員がご本人に届けたり、秘書が先方の秘書に届けたりするのが良いでしょう。
贈り先がどのような人なのかを伝えて、その人に合ったようなワインを選んでいただけるお店もありますので、そのようなお店を見つけることができれば便利です。


受賞・受章のお祝いの表書き
受賞や受章の贈りものの表書きの記載は、「御受賞 御祝」や「御受章 御祝」などとしますが、当然のことながら贈り先が受けたのが「賞」なのか「章」なのかを間違えないように注意することが大事です。
最後に
秘書業務において受賞や受章に対して祝意を表す機会は、あまりないように感じるかもしれませんが、私の経験から申し上げますと結構あるものです。
特に褒章・叙勲は年に2回の発表がありますし、そこそこの企業とお付き合いをしている秘書や総務の人はそのような機会が幾度となくあると思います。
この記事のポイントは次のようになります。
取引先の受賞・受章の祝電は発表後できるだけ早く打電する。
受賞や受章の祝電の文面に、取引先の会社がどのような理由で賞をもらったのか、取引先の人がどのような社会貢献で褒章や叙勲を受けたのかを具体的に入れる。
褒章や叙勲は個人が貰うので、祝電は原則自宅に届くようにするが、自宅住所は個人情報なので留意する。
褒章や叙勲のお祝いは、できるだけあとに残らないものにする。
賞や章でもいただいた会社や個人は嬉しいものです。
その気持ちが一層増すように、「貴社やあなただけではなく、弊社や私も嬉しいですよ」という気持ちが伝わるといいですね。
