こんにちは、ユキです。
7月といえば、本格的な夏の到来ですね。
暑さが増してくるこの季節、ビジネスでもプライベートでも、季節感のある時候の挨拶を取り入れることで、相手に好印象を与えることができます。
「どんな時候の挨拶を使えばいいの？」
「ビジネスでの手紙やメールに最適な表現は？」
「他とは違う、印象に残るフレーズが知りたい！」
そんな疑問をお持ちの方のために、この記事では7月の時候の挨拶を【ビジネス向け】【カジュアル向け】に分けて、具体的な例文とともにご紹介します。
さらに、私が企業で秘書をしていたときに実施していました、俳句の季語を活かしたオリジナル表現も掲載しています。
「ワンランク上の表現を使いたい」「他の人と差をつけたい」と思う方にもぴったりの内容です。
この記事を読めば、7月にふさわしい素敵な挨拶が自然と書けるようになります。
ぜひ最後までチェックしてくださいね！
手紙の書き方
手紙の基本的な構成は次のとおりです。
①前文：「拝啓」などの頭語 ⇒ 時候の挨拶 ⇒ 相手の安否や健康を気遣うことばやお礼など ⇒ 自分の近況など
②主文：手紙の目的・用件など
③末文：結びの挨拶(相手の健康や無事を祈ることばや用件をまとめたことば) ⇒「敬具」などの頭語に呼応した結語
④後付：日付 ⇒ 差出人 ⇒ 宛名
この記事では、前文の時候の挨拶と末文の結びの挨拶の例文をご紹介します。
手紙の書き方について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
👉手紙の書き方｜マナーと構成を体験談で解説
7月の時候の挨拶例文：ビジネスの手紙やメール向け
時候の挨拶には、フォーマルな表現の「漢語調」と柔らかい表現の「口語調」があります。
ビジネスシーンでは漢語調の時候の挨拶を使うのが一般的ですが、親しくしている取引先には堅苦しいイメージを与えますので、相手によっては口語調を使った方が良い場合もあります。
7月上旬の時候の挨拶
漢語調
・半夏の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
※はんげ：半夏生（はんげしょう）の略で、七十二候で7月2日～6日頃にあたり、この頃から梅雨が明け、田にカラスビシャク（半夏）が生えるのを目安に田植えの終期とされてきた
・海開きの候、貴社の皆様におかれましては、なお一層ご健勝のことと拝察いたします。
※うみびらき：海水浴場を開設することや、その日を指す
・温風至る候、貴社におかれましてはご隆盛のこととお喜び申し上げます。
※あつかぜいたる：温風とは南風のことで、温風が吹いて蒸し暑い日が増えてくる頃のこと
口語調
・梅雨明けが待たれる今日この頃、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
・強い日差しが降り注ぐ季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
・夏本番が近づいてまいりましたが、貴社の皆様には変わらずご健勝のことと存じます。
7月中旬の時候の挨拶
漢語調
・盛夏の候、貴社益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
※せいか：夏の暑い盛りの時期のこと
・小暑の候、貴社におかれましてはご繁栄のこととお喜び申し上げます。
※しょうしょ：梅雨明けが近付き、暑さが本格的になる頃のこと
・梅雨明けの候、貴社の皆様には益々ご健勝のことと存じます。
※つゆあけ：曇りや雨の日が多い梅雨の天候から、晴れて暑い夏の天候へと季節が変わる頃のこと
口語調
・蝉の声が響き渡る季節となりましたが、貴社の皆様にはますますご活躍のことと拝察いたします。
・梅雨が明け、本格的な夏の訪れを感じる頃となりましたが、皆様にはご壮健でお過ごしのことと存じます。
・夏の青空が広がる日が増えてまいりましたが、貴社の皆様にはお変わりなくお過ごしのこととお慶び申し上げます。
7月下旬の時候の挨拶
漢語調
・大暑の候、貴社ますますご隆盛のこととお喜び申し上げます。
※たいしょ：快晴が続き、気温が上がり続ける頃のことで、二十四節気では7月23日頃
・炎暑の候、貴社におかれましてはなお一層のご繁栄のこととお喜び申し上げます。
※えんしょ：真夏の焼けつくような暑さのこと
・夏陰の候、貴社におかれましては一層ご発展のこととお慶び申し上げます。
※なつかげ：夏の日差しが建物や塀などに影をつくり、歩くにも少しでも日陰を選びたいと思う頃
口語調
・夏本番を迎え、暑さが一段と厳しくなってまいりました。貴社におかれましては、ますますご繁栄のことと存じます。
・夕涼みが心地よい頃となりましたが、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
・大暑を迎え、厳しい暑さが続いておりますが、貴社の皆様にはますますご清祥のことと存じます。
7月に使える結びの挨拶例文：ビジネスの手紙やメール向け
ビジネスシーンでの結びの挨拶では、今後の良好なおつきあいのお願い、相手の繁栄や健康を祈る内容にします。
季節に関係なく使える結びの挨拶
・今後ともご指導ご鞭撻くださいますようお願い申し上げます。
・引き続きご高配を賜りますようお願いいたします。
・貴社益々のご繁栄を心からお祈り申し上げます。
・貴社のご発展と皆様のご健勝をお祈りいたします。
・時候不順の折柄何卒ご自愛くださいますようお願い申し上げます。
・これからも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
7月上旬の結びの挨拶
・蒸し暑い日が続きますが、どうぞご自愛のうえ、実り多き日々をお過ごしください。
・梅雨の晴れ間の青空が嬉しい季節です。お健やかにお過ごしくださいませ。
・これから本格的な夏を迎えます。どうぞお身体を大切にお過ごしください。
・向暑の砌、貴社の皆様のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。
・湿度の高い日が続きますが、ご健康に留意され、益々のご活躍をお祈り申し上げます。
7月中旬の結びの挨拶
・夏の日差しが日に日に強まってまいります。貴社の皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。
・これから夏本番を迎えます。体調管理にご留意のうえ、充実した日々をお過ごしください。
・暑さ厳しき折柄、くれぐれもお身体を大切にされますようお願い申し上げます。
7月下旬の結びの挨拶
・厳しい暑さが続きますが、ご健康にはくれぐれもご留意ください。
・猛暑の砌、皆様のご健勝と貴社の更なるご繁栄をお祈り申し上げます。
・夏の盛りを迎えました。貴社の皆様が健やかにお過ごしになられますようお祈り申し上げます。
・連日の暑さの中、ご自愛のうえ、益々のご活躍をお祈り申し上げます。
7月の時候の挨拶例文：カジュアル(プライベート)な手紙やメール向け
ビジネス編でご紹介しました口語調の挨拶をカジュアルな手紙やメールでも使えますが、親しい相手にはもう少し柔らかい感じの方が良いと思います。
7月上旬の時候の挨拶
・暑さが本格的になってきましたね。夏の訪れを感じる今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
・梅雨も明けようとしていますが、お変わりないですか。
・今年も一年の折り返しを迎えましたね。夏の暑さに負けず、元気にお過ごしでしょうか。
7月中旬の時候の挨拶
・蝉の声が響き渡る季節となりました。暑さに負けず、お元気でお過ごしでしょうか。
・海や山が恋しい季節になりましたね。夏を楽しむ準備は整いましたか？
・夕涼みが心地よい季節ですが、お変わりございませんか。
7月下旬の時候の挨拶
・いよいよ夏本番ですね。冷たい飲み物が手放せない季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
・連日の暑さが厳しくなってきましたね。夏バテなどされていませんか？
・夕暮れ時の風にほんの少しの涼を感じる頃となりましたが、お元気ですか。
7月に使える結びの挨拶例文：カジュアル(プライベート)な手紙やメール向け
相手の健康のことなどを気遣う文章になります。
7月上旬の結びの挨拶
・暑い日が続きますが、どうぞご自愛くださいね！
・梅雨明けが待たれる時期ですが、体調を崩さないようお気をつけください。
・夏本番に向けて、どうか元気にお過ごしください！
7月中旬の結びの挨拶
・熱中症に気をつけながら、夏を満喫してくださいね。
・ひときわ暑い日が続きますが、どうぞお身体を大切に。
・これからますます暑くなりますので、涼をとりながらお過ごしください。
7月下旬の結びの挨拶
・夏の疲れが出やすい時期ですので、無理せずお過ごしください。
・夏の風物詩を楽しみつつ、健やかにお過ごしくださいね。
・夕涼みを楽しみながら、素敵な夏をお過ごしください。
感じたことを表現した時候の挨拶：季語を用いて作ってみよう
これまでは一般的な時候の挨拶をご紹介しましたが、自分が感じたことを表現した時候の挨拶も、オリジナリティーがあって受け手に好印象を与えるのではないでしょうか。
私は秘書業務で手紙の文面を作成する時に、一般的な時候の挨拶では物足りなくなり、俳句の季語を入れて季節感をだすようにし、自分が感じたことを表現するようにしました。
皆さんも季語を使ってオリジナルの表現にチャレンジしてみませんか。
以下に季語を使った独創的な時候の挨拶の例文をご紹介させていただきますので、もし気に入っていただけましたらそのまま使ってください。
季語を使った独創的な7月の時候の挨拶
・蝉時雨が夏の盛りを一層賑やかにしていますが、いかがお過ごしでしょうか。
・暑さに負けず向日葵が元気に咲いていますが、お元気ですか。
・海開きに子供たちの歓声と波の音が交錯する風景が浮かびますが、お変わりございませんか。
・山開きの季節になりますといつかは富士山に登ってみたいという希望が湧きます。お元気ですか。
・ジョギングの道端の鉄砲百合がファンファーレを吹いて応援してくれますが、恙なくお過ごしでしょうか。
・梅雨明けに身も心も晴れていますが、元気にお過ごしでしょうか。
・夕立が嫌なことも洗い流してくれていますが、穏やかな日々をお過ごしでしょうか。
・満開の睡蓮がモネの絵を見せてくれていますが、楽しく暮らしておられますか？
7月の時候の挨拶の注意点
7月の時候の挨拶を書く際には、次のことを気に留めていただければと思います。
梅雨明け前後で適切な表現を使う
7月上旬は梅雨が続く地域も多いため、晴天ばかりを強調すると不自然です。
一方、中旬以降は夏本番となるため、梅雨の表現を引きずらないようにしましょう。
誤: 「爽やかな青空が広がる季節ですね。」（梅雨の時期には不自然）
正: 「梅雨の晴れ間に、夏の気配を感じる頃となりました。」（7月上旬向け）
誤: 「しとしと雨が続きますね。」（7月下旬には適さない）
正: 「夏空がまぶしく輝き、暑さが本格化してまいりました。」（7月下旬向け）
ポイント: 7月上旬は梅雨の表現を入れつつ、下旬は「夏本番」に移行するのが自然。
暑さの表現を誇張しすぎない
7月は暑い時期ですが、8月のような「酷暑」「猛暑」という表現は早すぎることがあります。
誤: 「酷暑の候、厳しい暑さが続きますね。」（8月の表現）
正: 「炎暑の候、夏の盛りを迎えましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。」（7月向け）
誤: 「連日うだるような暑さが続きますね。」（7月上旬にはまだ不適切）
正: 「日差しが日に日に強まり、夏の訪れを感じますね。」（7月上旬向け）
ポイント: 「炎暑」「盛夏」などを使い、「酷暑」「猛暑」は8月向けとする。
7月に合わない梅雨の表現を避ける
梅雨明けの時期を誤ると違和感のある表現になります。
誤: 「梅雨寒が続きますね。」（7月には不適切）
正: 「梅雨明けが待たれる頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。」（7月上旬向け）
誤: 「長雨が続きますが、ご自愛ください。」（7月中旬以降は不自然）
正: 「いよいよ夏本番を迎えましたが、体調を崩されませんようご自愛ください。」（7月下旬向け）
ポイント: 7月中旬以降は「梅雨」ではなく「夏の暑さ」を意識した表現を使う。
参考：7月の俳句の季語
前述のように、俳句の季語を使うと手紙の挨拶に季節感を与えますので、季語と時候の挨拶とは密接な関係があります。
7月の俳句の季語を一部ご紹介しますので、季語を理解してより深い表現をするための参考にしてください。
1.時候(季節や気候を表す季語)
・盛夏（せいか）
真夏の季節を指す
・炎暑（えんしょ）
強い日差しによる暑さ
・夏深し（なつふかし）
夏が本格的になった頃
・極暑（ごくしょ）
最高に暑い時期を指す
・暑気払（しょきばらい）
夏の暑さによって体内に蓄積された熱や疲労を払うことで夏を元気に過ごすこと
・三伏（さんぷく）
一年で最も暑い三日間を指す
・夏休み（なつやすみ）
学校の長期休暇の時期
2.天文(空や天体、天候の様子を表す季語)
・夏の星（なつのほし）
夏の夜空に輝く星
・夏の月（なつのつき）
夏の夜空に浮かぶ月
・雷（かみなり）
夏の夕立などで発生する雷
・夏霞（なつがすみ）
夏の朝や夕方に見られる霞
・日盛り（ひざかり）
真昼の強い日差し
・蝉時雨（せみしぐれ）
蝉が一斉に鳴く音が雨のように聞こえること
・梅雨明（つゆあけ）
梅雨が終わること
・夕立（ゆうだち）
夏の午後のにわか雨のことで、ときに雷をともない激しく降るが短時間で止み、涼しい風が吹きわたる
3.地理(風景や土地にまつわる季語)
・避暑地（ひしょち）
暑さを避けるために訪れる涼しい場所
・夏山（なつやま）
夏の季節に見る山の景色
・滝（たき）
年中滝はあるが涼気から夏の季語とされた
・夏の湖（なつのみずうみ）
夏の湖の風景や雰囲気
・赤富士（あかふじ）
夏の朝、朝焼けによって赤く見える富士山
4.生活(年中行事や暮らしの中の季語)
・風鈴（ふうりん）
夏の風物詩として使われる涼を呼ぶ鈴
・団扇（うちわ）
夏に涼を取るための道具
・蚊取り線香（かとりせんこう）
蚊を避けるために焚く線香
・海開（うみびらき）
７月１０日前後に海水浴場を開く日のことで、遊泳の安全祈願の神事などをしてから泳ぎ出す
・山開（やまびらき）
夏山のシーズンの初めに、その年の登山の安全を祈願して各山で行われる儀式
・土用の丑の日（どようのうしのひ）
7月下旬、鰻を食べる習慣
・西瓜割（すいかわり）
夏の遊びの一つ
5.動植物(草花や動物にまつわる季語)
植物
・向日葵（ひまわり）
夏を象徴する黄色い花
・睡蓮（すいれん）
７月から８月にかけて、水面に浮かぶように咲く花で、印象派のモネが好んで描いた花でもある
・蓮（はす）
仏教とも関係の深い水生植物
・鉄砲百合（てっぽうゆり）
夏、ラッパに似た形の筒状の花を横向きに咲かせる
・昆布（こんぶ）
岩礁に着生する褐色の大きな海草で、夏に取る
動物
・蝉（せみ）
夏に鳴く昆虫
・蟻地獄（ありじごく）
砂の中に落ちる獲物を捕まえる虫
・金魚（きんぎょ）
夏祭りや風流な飼育として楽しまれる
・土用鰻（どよううなぎ）
夏の土用の丑の日に食べる鰻のこと
・玉虫（たまむし）
3センチから4センチの紡錘形の甲虫で、そのはねの美しさから吉兆の虫とされる
最後に
7月の時候の挨拶は、梅雨明け前後の季節の変化を意識しながら、相手に心地よく伝わる表現を選ぶことが大切です。
フォーマルな場面では格式ある漢語調、親しい間柄では柔らかい口語調を使い分けることで、より自然で好印象なやり取りができます。
また、俳句の季語を取り入れることで、季節感あふれるオリジナリティのある挨拶も可能です。
「ちょっとした一工夫で、印象が大きく変わる」ことを実感していただけたのではないでしょうか？
ぜひ、この記事の例文を参考にしながら、ご自身の言葉でアレンジしてみてくださいね。
最後までお読みくださいまして有難うございます。
7月以外の時候の挨拶・結びの挨拶の詳細は以下からご覧ください。
・1月の時候の挨拶・結びの挨拶
・2月の時候の挨拶・結びの挨拶
・3月の時候の挨拶・結びの挨拶
・4月の時候の挨拶・結びの挨拶
・5月の時候の挨拶・結びの挨拶
・6月の時候の挨拶・結びの挨拶
・8月の時候の挨拶・結びの挨拶
・9月の時候の挨拶・結びの挨拶
・10月の時候の挨拶・結びの挨拶
・11月の時候の挨拶・結びの挨拶
・12月の時候の挨拶・結びの挨拶
